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キミのくれたモノ  作者: 山路空太
29/53

29.ちびっ子の楽園(オアシス)

 連れて行かれたのは幼稚園児や小学生低学年が乗るような遊園地の中にある小さな子供達の楽園(オアシス)

ここ笠松遊園地には小さなお子様にも怖くない様に小さなジェットコースターなどがある。

比較的揺れが少なく、乗り物に弱い人でも大丈夫らしい。

当たり前だが小さい子供ばかりだ。


「え……」

 僕は言葉を失う。


「デートなのに一人で乗るのはおかしいでしょ?ここなら公星も乗れるかなって……ダメそう?」


「多分大丈夫だけど……夏澄はいいの?」

 僕は不安になりながら尋ねる。

 

「公星と一緒なら楽しいからどこでもいいよ」

 夏澄の言葉にドキッとする。


「……どう?ドキッとした?」

 その言葉にさらに一つ大きくドクンと波打つ。

「その顔を見ると当たりかな?これなら本番でも使えるかな?」

 その言葉に僕の体温が絶対零度まで下がったような錯覚を覚える。

何故だろうか……

先程の気分の悪さとはまた違う。

胸に何かが突っかかるような……そんな気持ちを吹き飛ばすつもりで言葉を吐き出す。


「さぁ、せっかくだし乗り物に乗っていこうか。夏澄はどれがいい?」

 一刻も早くこの気分を吹き飛ばしたい。


「じゃあ急流滑りしよ!ちょっと涼みたいし」

 心は冷え切っているが、たしかに頭の上から容赦なく肌を焼く日光のせいで蒸し暑い。


「次はゴーカートで競走ね」

「望むところだよ」

 結果は僕の圧勝。

「公星速すぎー、流石男の子だね」

 褒められて嫌な気はしない。しかし男の子が関係あるのかな?


 ぐぅぅぅぅ。

 夏澄のお腹がお昼ご飯を催促する。夏澄は恥ずかしがって、

「次どれ乗ろうか?」

 と聞いてくる。スルーして欲しいのだろう。

 ぐぅぅぅぅ。

 遅れて僕のお腹が返事する。


「公星お腹空いたの?」

「もう僕お腹ペコペコでさ。お昼にしよう」

「そだね!」

 タイミングよく鳴ったお腹に感謝する。おかげで夏澄は満足そうだ。


 夜までは別々でデートらしい。Wデートとは何なのか。まぁ予定を狂わせたのは紛れもなく僕なんだけど……


 公星はすっかり忘れているが、携帯にはまだメールは来ていない。

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