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 「じぃじぃはねぇ、きれいでぇ~やさしくてぇ~おもしろくてぇ~ぼくぅ~だいすきなのぉ~」

 わふわふ!わふわふ!

 

 ほっぺを両手で押さえながら、銀嶺さまのことを大絶賛するリルファのとなりで、子狼達も尻尾をちぎれんばかりにふりながらアピールする。

 すると、リルファは何を思ったのか、子狼達を順番にもふりはじめた。


 もふもふもっふりもふもふもっふり


 ぴーくんは慌ててトトトと、黒狼の方に走ってきた。

 すでにもふられたもんね。


 やみくもにもふるのではなく、全身をまんべんなく的確にリルファの小さい手がもふっていく。

 あっという間にあーくんのもふりが終わり、あーくんがもふもふのピッカリ毛皮の子狼に変身した!

 その後はかーくんの番だ。


 もふもふもっふりもふもふもっふり


 かーくんももふもふピッカリだ!


 青い鳥のぴーくん、子狼のあーくん、かーくん、リルファにもふられた子達は皆ピカピカだ。

 次はぁ、とばかりにリルファが黒狼を見た。

 『いや、オレは・・・』


 黒狼はためしに手のひらを上に向けてみた。

 すると小さい子達はわくわくして、黒狼の手のひらに注目する。

 じーーーーーー

 じーーーーーー

 

 小さい黒狼は残念ながら現れなかった。

 「え、えーと、あかんみたい。出て来ないみたいや」

 しょんぼり・・・


 「じ、じゃあ、お部屋に帰ろか」

 黒狼はごまかすように、立ち上がった。


 リルファ達もハッとしたように、動き出した。

 皆でリルファのじぃじぃとお話しするのだ!・・・皆でするのか?


 小さい子達はテーブルに敷いていた布をたたみはじめた。

 4人?いるから、それぞれ角を持ち、布をくわえた子狼の方へリルファと青い鳥が布の角を合わせにいく。

 鳥のぴーくんは始めてとは思えないほど上手だ。

 真剣な顔をして、小さい子が一生懸命にぱたぱたしているのを見ていると、癒される。

 そこにいるだけで癒されるのに、皆で楽しそうにしているのを見ると、黒狼もとっても幸せな気持ちになる。

 そんなことを考えていたら・・・・・・・・・・

 


 『ぴかっと何かが閃いた!』

 黒狼はハッとして、心の片隅でもやもやしていたものが一気に晴れていくような気持ちになった。


 ぴーくんが、もふもふピッカリ

 あーくんが、もふもふピッカリ

 かーくんが、もふもふピッカリ

 皆で、もふもふピッカリになった理由。


 そうだそうだ、忘れてた!


 『りーくん、癒しの精霊だった!』

 リルファはただのモフリストではなかった。

 精霊でも(まれ)な癒しの精霊だったのだ。


 いやー、もふるだけでピカピカなんて、りーくん器用やなぁと感心していたが、なるほど納得だ。

 今さら気付くなんて、とんでもないボケボケ加減に黒狼は残念な気持ちになった。


 「ろーくん!」

 ピッ!

 わふわふ、わふわふ!


 いつの間にか布を片付け終わって、リルファ達が黒狼の所へやって来た。

 「ろーくんちはねぇ~やさしいおうちなのよぉ~」

 リルファがなぜかぴーくんに自慢げに言う。

 「ろー、早く早く行こう!ピッ!」

 わふっ、わふっ!

 

 「よしっ!行こか!」

 「しゅっぱつしんこぉ~」

 きゃっきゃ賑やかな小さい子達を乗せて、黒狼はやさしいお家へと歩いていくのだった。


 ところで、『どこら辺がやさしいお家なんやろ』なんだかハードルを上げられたように感じる黒狼だった。

 


 

 

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