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話がぜんぜん進みません。すみません。
「ふぅ~~」
リルファは満足そうにため息をつくと、右手の甲で額の汗を拭うような仕草をした。
あぁ~いい仕事したぁ、みたいな感じである。
青い鳥はリルファのもっふりが終わって、パタッと倒れた。
まん丸で足が短いから、足は宙に浮いている。
わ、わふわふ
子狼達が、おろおろして歩き回っている。
「だ、大丈夫か?」
黒狼は罪悪感でいっぱいになってしまった。
リルファのもっふりでダメージ受けるなんて、思ってもみなかったのだ。
くるりん、ピッ!
だが、次の瞬間青い鳥はピッと立ち上がった。
黒狼には転がったようにしか見えなかったのだが・・・。
「ぴ、体が軽くなってるぞ。りー何かしたのか?」
ピッ!
ぴーくんがリルファを手羽指す。
不思議なことに、青い鳥の羽毛はもっふりが増し、頭の上のくるりんと巻いた毛が、艶やかに輝いている。
くるりん、前からありましたっけ?あぁコシがなく、ペタんとしていたんだ。
どおりで。
リルファは『仕事したぁ』ポーズであさってを見ていたが、ぴーくんに言われて上半身だけひねってこちらを見た。
それからくるりん、とターンをしてぴーくんの方に向き直る。
すると、ぴーくんがまたパタンと倒れて、くるりんピッと立ち上がった。
それを見た子狼達も順番にころりんパッと起き上がる。
そして皆一斉に、黒狼を見る。
『えっ?今度はオレの番?』
いやいやいやいやいや、無理やろ。
なのに、小さい子達はきらきらおめめで黒狼を見つめている。
きらきらきらきらきらきらきらきら
『うっ、まぶしい!いや、あかんて』
黒狼も目で訴える。
『君らとサイズ違うし』
きらきらきらきら
『それに時間が過ぎてもた。タイミング的にも、無理やろ』
その思いが通じたのか、小さい子達は皆で顔を合わせて頷いた。
『わかってくれてよかっ・・・た、て違いますやん!』
リルファがくるりん、とターンを決め、ぴーくんがくるりんぴっ!と立ち上り、子狼が順番にころりんパッ!と立ち上り。
『あいっ!』
『ピッ!』
『わふっ!』
『わふっ!』
連携プレーの押しに負けたのか、黒狼は慌てて右手の手のひらを上に向けた。
そこに現れたのは、小さい黒狼。
黒狼の手のひらから飛び出すと、空中でくるりと一回転してテーブルの上にスチャッ!と降り立った。
きゃーかわいいー
ぴ!
わふっ
わふっ
小さい子達が自分よりちびっちゃい黒狼の眷属を取り囲む。
リルファは手をわきわきしだした。
ちび黒狼、絶体絶命!
ところが、ちび黒狼は小さい子達の輪をぴょん!と飛び越えて黒狼の手のひらに飛び乗った。
ああっ!
リルファ達の残念な声に振りかえると、尻尾をちょっと振ってシュッと消えてしまった。
「えーと、恥ずかしがり屋さんなんや。かんべんしたって」
皆のうらめしそうな顔に言い訳する黒狼だった。
ちび黒狼は黒狼の眷属のようなもので、時々お手伝いしてくれるのだ。
手紙を届けたり、偵察に行ったり。
ちびっちゃくてかわいいから、そこに居てくれるだけで癒される。
だから、用がなくても呼び出すこともある。
恥ずかしがり屋さんというのは本当で、知らない人がいるとすぐに消えちゃったりするのだ。
久しぶりの外出にはしゃいでいる青い鳥のために、寄り道したけどそろそろ本題に入りたいものだ。
黒狼は小さい子達が元の場所に戻ったので、話を続けることにした。
「ぼくがぁかんがえたのはねぇ~、じぃじぃのひつじさんにおしえてもらおうとぉ~おもったのよぉ~」
ひつじ、羊?
「「ひつじ?」」
首をかしげる黒狼とぴーくんを見て、リルファも首をかしげた。
「あれぇ?ひつじ・・・じゃなくて、しつじ!しつじさんだったぁ」
あぁ執事さんねぇ。
リルファは銀嶺さまの執事さんに助けを求めようと考えたらしい。
「ろーくんのおへやにかえって、じぃじぃとしつじさんとおはなしするのよぉ」




