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「おそい~。ボクずっと、まってたんだぞ!」
ピッ!
もふもふの小さな青い手羽がぴしっ!と向けられた。
黒狼とリルファ達が部屋に入ったら、羽毛をふくらませた小さな青い鳥に遅いと怒られたのだった。
言ってもいいよね。
君、だれ?
一応青い鳥に関しては、何にも知らないことにしてるのだが。
「だ・か・ら、ボクのなまえは『ピルリャピピリャリュルリュラーピ』!」
ピッ!
小さな青い鳥は自己紹介してくれた。
「・・・・・・ぴ?」
ぴ?
わ・・・ふわふ
リルファは頭を傾げながら、なんとか名前を言おうとした。
子狼達も耳をぴくぴくさせている。
「ピルリャピピリャリュルリュラーピ!」
ピッ!
さすが鳥。
難解なぴぴぴ言葉もこのとおり!
「ぴ、りぴぴぴら・り・・ら・・・?・・・あれぇ~?」
リルファの頭がますます傾いていく。
あーくんがリルファを支えようと、後ろにまわった。
「ろーくぅん・・・」
リルファがあーくんにもたれたまま、のけ反って黒狼を見る。
涙目だ。
黒狼はうなづいた。
しかし、これは『大丈夫、オレにも無理』の意味だ。
仕方ない、紙に書くことにした。
小さな青い鳥はピョンと1回だけはねて、後はちんまい足でちょこまか走ってきた。
『おお!走れるんや』
小さいから時間はかかるけど、なかなか素早い。
黒狼は感心した後でハッとする。
『鳥やのになぜに走る?』
しかし、黒狼には得意げな顔に見えたので「すごいなぁ」とほめてあげた。
黒狼はリルファが両手で持てる、小さい紙に青い鳥の名前を書いた。
走ってきた青い鳥監修のもと、きちんと書いたよ。
鳥も文字読めるんだ。
うん、耳で聞いてその後に紙を見ながらだったら、言えるかも。
「ピルリャピピリャリュリルリュラーピ!」
ピッ!
決まった!
青い鳥は手羽を天に向け、決めポーズ!
黒狼は思った。
鳥のピッ!はりーくんの「あいっ!」と一緒やなぁ。
「ぴるりゃぴぴぴりゃるりょりるりるらあぴっ!」
ふ~~~
リルファが頑張った感を演出しつつ、右手の甲で見えない汗をぬぐう。
ぼく、がんばった!
えっへん!
どや?どや!!
青い鳥、ちんまく丸まって長考に入ったもよう。
リルファ頑張った!
しかし、びみょー。
ふわふわの羽毛をいつも以上にふくらませて、目をつぶる。
真ん丸の黒いおめめは見えないが、あらアイラインも黒。
「えー、『りー』がんばったとはおもうけど・・・ぼくのなまえがちょっとびみょーにちが・う・・・ような、きがしないでもない、でもない・・・」
ぴー↘
青い鳥の言葉を聞いて、リルファのにこにこ笑顔がだんだん消えて・・・鳥があわてて誤魔化そうとする。
鳥、自分の名前がむずかしいことに気がついたようだ。
リルファ、鳥の名前のメモを握りしめ、ぷるぷるしだした!
ピ、ピピルピルピルルピル!
ピッ!
青い鳥が黒狼に一生懸命にぴぴぴ言葉で訴えかける。
ごめん!
ぴぴぴ言葉はわからん!
わふわふわふわふ
子狼達も黒狼に訴えかける。
わるい!
わふわふもわからん!
けど、言わんとしてることはわかる!
しかし、黒狼や子狼、鳥があわあわしてる間に決まってしまったのだ。
「とりさんのなまえは『ぴーくん』ねぇ~」
ピッ?
鳥の名前を書いた紙はリルファの手から消えていた・・・。
そういえば、みんなの名前もそんな感じで呼ばれていたね。
ちなみに、小さな青い鳥は黒狼に『ぴーくん』は愛称だと言われて、てれてれしていたから満更でもなかったようだ。
黒狼は大きな紙に書いた、ぴーくんの名前のメモを大事に置いておくことにした。
こうして、対策室ちっちゃいもの隊にもう一匹、仲間が増えたのだった。
作者も鳥の名前が覚えられません




