RESONANCE
RESONANCE…共振・共鳴・心に響くもの
何…
この感覚…
振動…揺れてる?
不快感…?
え!?
これは…僕!?僕自身が発している何か?
「おぎゃぁぁぁぁ!おぎゃぁぁぁぁ!」
僕が産まれたてなの!?
もしかして異世界転生しちゃってるぅ!!!!
前世の記憶を持ったまま異世界転生しちゃったようです。
僕の前世はガス生命体。周りに恒星や惑星の無い宇宙空間でコロニーを作って暮らしていました。寿命の概念とかも無かったので死んで…とかでは無いはず。何がきっかけで転生したかは分かりません。
だから身体があるということもそうですが【音】という感覚が初体験。
自身の発する泣き声が分からなかったのも、、まぁ仕方ないよね。
どうも生まれ変わった星は地球という星で、喉を震わせて声を出す事で人間同士で意思疎通ができるみたい。前世では念話でやり取りしてて言語は無かったし、地球で念話を試してみたけどどうも相手側に受け取るアンテナが立ってないから念話で意思疎通はできないみたい。残念。
うーん…。
しばらく地球で暮らしてみて、、、
この星は重力があって超絶にしんどみ。
前世では重力の存在はもっと深刻で死活問題。近くに彗星が通る予報がなされれば重力圏外に避難したり、重力無効化装置内に退避してたけど、、、
あ!もしかして前世は気づかない内に何かの重力に引きちぎられて死んでたのかもしれません。
…とにかくこの地球上では重力からの逃げ場がありません。空気という存在も移動時に重くて大変。
呼吸という活動は生命に不可欠なのは分かるし、必要なことで慣れはしたけど、息が切れて苦しいという経験は初めて。身体をぶつけて痛いという感覚も最初は新鮮だったけど、一部の変な人のように好んで痛みを求めたりはしません。
前世の思考力があるから小学校の勉強は全然辛くはないけど、運動は周りの子の方が遥かに優れてる。産まれながらの地球人サラブレットは強い(泣)
そんな生活を続ける中で僕だけが聴こえる音がある事が分かりました。
親や友人に聞いてみても
「え??聞こえないよ?」
…つまり、、、これはたぶん前世でも使ってた念話なのだろうけど、、
誰が何の目的で送って来てるのか分かりません。
念話は言語ではなく意思が伝わるものなので意味が分からないって無いと思うんだけど…
そんな僕も10歳の誕生日を迎えます。
お誕生日会はありません。
別に両親から嫌われている訳ではありません。
弟の誕生日が4日後なので誕生日会は弟に合わせてまとめてやることになっています。
別に怒っていません。
本当だよ。
それよりも、、
「やぁ。お久しぶり。10歳の誕生日おめでとう!」
念話が入りました。
前世の同族であるガス生命体の知り合いからです。
「念話による意思疎通ができるとは分かっていたけど、知能が生命体として一定を越えるまでは連絡を控えていたんだよ。」
とのこと。
どうも試したことは無かったけどチャンネルさえ合えば念話できる距離は関係ないみたい。
それからは毎日入れ替わり立ち代わり色々なことを聞いてくる。
ガス生命体からすると地球という異世界に興味津々。
「あ~。痛みをたくさん味わってみたいな~。」
うん。その発言は地球では禁止だね。
「でも、連絡が間に合って良かったよ。」
え?どういう意味?
「その地球という星は音エネルギーを溜めすぎてるからね。もういつ破裂してもおかしくないから。
空気を持つ惑星では音エネルギーが大地に、そして惑星に蓄積され続けるんだよ。」
へー。そうなんだ。
「はは。君は歴史の勉強が嫌いだったからね。私達の遠い先祖も地球と同じような惑星に拠点を置いて暮らしていたけど、音エネルギーの蓄積と共振のせいである日突然に星が破裂しちゃったんだよ。その時に身体を持つ生命体は絶滅しちゃったんだ。ガス生命体だった私達の祖先も絶滅寸前までいって大変だったみたいだけど何とか宇宙空間で生き延びる事ができたんだよ。」
その破裂する前兆って分からないんじゃなかったの?どうやって分かったの?
「君も聞こえているはずだよ。惑星の念話を。」
あ~、、じゃずっと聞こえていた発信者が不明の念話は、、
この星の、
地球の悲鳴だったんだね。
「はは。惑星が生命体かどうかの議論はずっとなされているけどまだ結論は出ていないけどね。
念話…と言っても破裂の前兆なだけであって意思は感じ取れないし。」
そうなんだ。転生してすぐなのにまたすぐ死ぬの確定はちょっと辛いなぁ。
「転生という事象が分かってるからまだマシなんじゃないかな?次は惑星に転生できるかもね?」
のちのち破裂しちゃうじゃん。
「ははははは。冗談だよ。冗談。
…ところで地球の破裂はもうすんでの所まで来ているから、君が最後の一声を発してみてはどうかな?
どの場所でどの大きさでどう発声すれば地球が破裂するのか…。
君ならもう感じることが出来るだろう…?
遅かれ早かれなんだから君がその大役を果たしてみなよ!」
そんな訳で僕は2か月かけてとある高所に移動します。
その音節はこの星がずうっと待ち望んでいた言葉。
「バルス!!」




