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いざ自衛隊へ!

 自衛隊の試験は無事合格し、残りの学校生活を終えて卒業式も終わった。

 そして、家族に見送られながら自衛隊へと向かった。

 数時間バスに揺られ、着いた先は札幌、真駒内駐屯地。

 

「中村幸男さん……ですね。六区隊の第三班です」

 

 受付を済ますと、部屋へと案内される。

 そこは、四階建ての隊舎の三階の一番端であった。

 

「ここの部屋です。不必要な荷物等は向こうの私物庫に入れてください。他の人達が来るまで、荷物の整理を済まして下さい」

「わかりました。ありがとうございます」

 

 案内をした人はそのままその場を後にする。

 部屋には、二段ベッドが五つとロッカーが十個あった。

 ロッカーとベッドにそれぞれ名札が貼られていた。

 

「おお……ここが……っと、その前に、俺のベッドは……と」

 

 軽く自衛隊の部屋に見惚れる。

 しかし途中で我を取り戻し、部屋の奥まで行き、自分の名札を探していると部屋にもう一人入ってくる。

 

「あ……どうも」

「……どうも」

 

 二人は軽く頭を下げて挨拶する。

 陰キャ全開である。

 

「お、ここか。めっちゃ見落としてたな」

 

 自分の名札は入ってすぐの所にあった。

 自衛隊の部屋というものに浮かれて気が付かなかったのだ。

 取り敢えず、ベッドの上に荷物を下ろす。

 

「お?」

「ん?」

 

 すると、先程入ってきた男も同じところに立ち止まる。

 ベッドの名札を見ると、『瀬尾勤』と書かれていた。

 

「……いわゆる、ベッドバディって奴か。よろしく」

「うん……そうみたいだね。こちらこそよろしく」

 

 自分よりも少し背が小さく、優しそうなその男は先程とは打って変わり、柔らかな態度で挨拶を済ます。

 

「じゃあ改めて、中村幸男です。よろしく。旭川の高卒で、そのまま自衛隊に来たんだ」

「え!? 旭川!? 俺もだよ!」

「マジ!?」

 

 その後、二人は身支度を済ませつつ、話に花を咲かせた。

 

「俺ガン◯ム好きなんだよね。なんか好きなアニメとかある?」

「本当!? 俺もガン◯ム好きだよ!」

 

 楽しく会話を続けながら不必要な荷物を私物庫にしまい、部屋に戻る。

 すると、荷物を抱えた人が立っていた。

 新しい仲間である。


(いやぁ、こんなに趣味の合う人がいるなんてな! 次の人はどんな人かな!)


 ウキウキしながら、その男に声を掛ける。

 

「どうも、中村……」

 

 声をかけようと近寄る。

 すると、その男は振り返る。

 

「……ゆきお……です」

 

 目つきが鋭く、殺されそうな勢いであった。

 

「あ?」

 

 まさに前途多難である。

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