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前の生でも色々失っていた

半日くをりてぃー。


なんかあふれてきたから、書いただけ。

前の私は、普通の家の、普通の子供だった。

生活に困ることはなく、大きな不自由もなかった。


兄と弟がいて、

母と父がいた。


そして、母のお友達の家族が近くに住んでいた。


母のお友達には娘がいて、

その子が度々、いや、結構な頻度で家にいた。


兄はその子が嫌いだった。


弟は嫌いではないが、好きでもない。


父は、どう思っていたのか知らないが、

母はその子がかわいかったようだ。


ふんわりとした、かわいい女の子だった。

私より1歳年下だった。


その子は、私のものをよく欲しがった。

私は、その子によく物を挙げた。


でも、困ることはなかった。


その子が欲しいといった服も、

アクセサリーも、人形も、


多く有ったものの一部でしかなく、

失っても困らなかった。


母がその子に与えたものも、

私に与える物の余剰分、もしくは私が好まなかったもの。


失っても、困ることはなかった。


その子と共通の友達や、私を嫌う人もいたけど、

私をよく知る友達もいたし、私の味方は多くいた。


ある日、同年代の女子が集まり、少し遠くに出かけることになった。

目的地に向かうのに、美しい陸橋を通ることになった。


その陸橋は美しいが、少し古く。

一部壊れていたことを私は知らなかった。


特定の場所で、止まってはいけないことを知らなかった。


ほかの子たちが足早に登っていく理由を知らず、

特に美しい石像があるところで止まってしまった。


ほかの子は既に橋を折り始めていて、


そこには私と、


その子しか残っていなかった。


止まってはいけない場所で、止まっていたのは私。

その少し上で、歪んだ微笑みを浮かべていたのはその子。


軽く、本当に軽く、その子に押された。


足元にあったはずの階段は、大きな音を立てて崩れた。


絹を引き裂くような、でも、悪意のある歪んだ悲鳴を耳にして、


猛烈な痛みと、少しの喪失感とともに、私は命を手放したらしい。


もうすでに、私は前の私でないのだから・・・。

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