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存在意義を失った
半日くをりてぃー。
なんかあふれてきたから、書いただけ。
本館に部屋はない。
奥庭の、庭師が用具を置いていた場所。
そこが新しい私の部屋になった。
奥庭は、すでに管理する者がいなく。
うっそうと茂った背の高い見知らぬ草や、手入れがされない広葉樹が昼の光を遮る。
夜は灯りもなく、時折遠くから獣のなく声が聞こえた。
私の世話をする使用人もいない。
母付きの使用人は、母の死とともに家を離れ。
私に着けられた一部も一緒に離れた。
父の関心を失った日から、
義理の家族が優先され、見知らぬ使用人が増えていった。
私の傍には誰もいない。
学ぶこともできなくなり、
生きるために、食事をとるためには、使用人を手伝う必要があった。
服は使用人のお仕着せのさらにお古。
本館の玄関の、裏口の掃除。
エントランスホールの掃除。
ランドリーメードの手伝いの洗濯。
仕事は下働きばかり。
人前に出ることはない。
誰も、私を、この家の子であると、
すでに認識していなかった。
家を継ぐのは義理の兄。
他家との婚約は、義理の妹に変わったらしい。
食事は、かろうじて、1食確保していた。