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衣服を失った
半日くをりてぃー。
なんかあふれてきたから、書いただけ。
年に何回かあるイベントや、
領地を治める家の子として、
日常身に着けるもののほかにも、衣服は余るほど持っていた。
持っていた。
お気に入りのデザインや、流行りを取り入れたデザイン。
母から継いだ上品な物や、婚約者の家から贈られた物。
部屋のクローゼットに、綺麗に整えられて衣服が管理されていた。
少し前までは。
義理の妹となった子が、
私が部屋にいるタイミングで訪ねてきて、
クローゼットを開けて、衣服を選別し始めるまでは。
『あたしの服はまだ少なくって、オネエサマがうらやましい。』
『素敵なデザイン!!ゆずってくださるでしょ。』
拒否はした。
父に頼めばすぐ仕立ててくれるだろう。
そう話もした。
でも、少しづつ、衣服は失われていく。
なぜか、父は義理の家族に甘い。
その理由は知らない。
損得勘定を含めて、何かがあるらしい。
母から継いだものは、私でもまだ大きい。
それすらも奪っていった。
クローゼットには、日常生活のための衣服のみが残っている。