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手紙  作者: よーこ
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春の兆し

ふと、着替えていたら黒いシミのようなものに気が付いた。


両腕の肘から二の腕くらいまでに、うっすらと黒いシミが出来ている。

自分からは見えづらく、鏡越しでなれけば気づかなかっただろう。


なんだろう?と気にはなったが痛みもないし熱ももっていない。薄いそれに大した危機感を抱くこともなく着替えを終える。

家事手伝いのマーサが朝食が出来たと呼ぶ声がして階下に降りた。


朝食後、マーサと一緒に片付け、家の掃除と洗濯をする。元々平民だったので小さな家にも家事にも抵抗はない。

むしろ年下のマーサと一緒にやると、妹が出来たようで楽しい。


家のことがひと段落したので、マーサが買い物に行っている間に手紙道具を用意する。


明日送る手紙なのに、内容を考えていたら今日まできてしまった。

長すぎないように、でも伝えたい事を伝えようと必死で書いた手紙は読み返してみると本当に簡単なことしか書いてなくて苦笑してしまった。

そろそろ一年になるのにまだまだ上手く書けない。


『親愛なる旦那様


お元気でいらっしゃいますでしょうか。

こちらではスノードロップが咲き始め、空気が色づき春の気配を感じることが増えてまいりました。

いま旦那様がいらっしゃるところはどんなところでしょうか。

季節の変わり目は体調を崩しやすいと聞きますが、大丈夫でしょうか?

厳しい日々が続いているかと存じますが、春の陽だまりの様に心身ともに穏やかに過ごせる日があることを祈るばかりです。

旦那様の、皆様の無事を心よりお祈りしております。

くれぐれもご自愛くださいませ。』

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