(57) 傷跡と犯人
「あぁ〜、確かに誰かの魔力が傷跡に残っていたわ。」クレーネが寝室の方を向いて答えた。
「うわぁ、やっぱりですか。」
初めてレイグに遭遇した時今までに感じたことのない魔力だった。魔法使い特有のでも、魔獣特有のでも無かった。もちろん人族でも無い。
(まさかこんなにも早くレイグに関係するとは、・・・ついてないな。)
「ルオ君もようやく気付いたのぅ。」
本の山に登ったラジアルが腕組みをして、うんうんと頷いた。
「何してんの?」ファミラがちょっと冷たく言った。
「では説明しようじゃ!!」
ラジエルがファミラを全力でスルーし、宣言した。
「ラジエルさん!その本多分貴重です!」
カノムが慌ててラジエルを本の山から下ろそうとするがラジエルが自身の羽をパタパタと動かして、ギリギリ回避した。
「では説明しようじゃぁああ!」
そして2回目
「我が優秀な助手ルオ君の推測通り、あの蝙蝠ガールを襲ったのは、迷子のルオ君を襲った人物と同一人物なのじゃ!」
「蝙蝠・・・?どうして?」
ルオはツェルカが蝙蝠ガールという意味がわからなかった。
「えっと、それは、・・・蝙蝠っぽいからじゃ!」
(めっちゃ、こじつけ感。)
「ツェルカ先輩も副隊長に襲われたっていうの?」
「いぇえす!じゃ。我は倒れた蝙蝠ガールを見た瞬間に犯人が分かったのじゃ!我は知恵を司りし天使!名探偵って呼んでも構わないぞ?」
「調べたらすぐに分かったけど?というか、ルオ君が説明してくれた方が良かったんだけど?」
「あぐっ!」ドサッ!
ファミラの右ストレート級のツッコミでラジエルはノックアウトし、本の山に倒れ込んだ。
「よ、よくやるな。だが、我は倒れぬぞ!」
「何もしてないけど?」
「なんかファミラ、冷たいね。」
「そう?だって、私はルオのが聴きたかったんだもん。」
「え!? 俺の? 嬉しいけどラジエルの方が詳しいと思う、よ?」(たぶん。)
「ルオ君! お主は救世主じゃ! 我のためによくぞ言ってくれた!おかげで完全復活したぞ!」
「チッ。」ファミラは小さい舌打ちをした。
「そもそも犯人の副隊長はおそらく人ではなく、我と同じ天使じゃ。名は多分セラフィエル。」
「天使なの? レイグ副隊長が?」部下であるファミラが目を見開く。
「これは我のみが知っていたようじゃの。えっへんじゃ。
あの性格はいやでも覚えておるからすぐに分かったわ。どうしてトップの星ノ隊ではなく獣ノ隊の副隊長をしておるかは謎じゃが、セラフィエルのことだ。なにかトンデモナイことをしようとしてるのじゃろう。」
「とんでもないことって一体どいうことなのですか?」
カノムが質問する。
「具体的にはわからぬ。ただ放置していたら、取り返しのつかないことになるはずじゃ。あいつは目的のためなら、命なんてそこらに転がる石と同じと見るからな。」
「酷すぎるわ。」クレーネが絶句する。
「レイグさんはクローギヌ遺跡に行った思う。」
!?
ルオが後ろを振り返ると、治療を受けたツェルカが立っていた。




