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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
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(45) 寝相と夢

「ルオー! いい加減目を覚ましなさーい!

そのままだとハンバーグと顔が合体するわよ!」


「・・・ふみゃ? !うがっ!」

 誰かが自分の名前を呼んでいるのが耳に届き、目を開けようとした時、顔面に何か板のようなものが当たり前、奇妙な声を上げた。


「いたたた。・・・え?」

 おでこをさすりながら、ゆっくり顔を上げると目の前には青い髪の少女と褐色肌の少年が座っていた。そして、ハンバーグの上に半透明の板が宙に浮いていた。


「ルオ、昨日は絶対夜更かししましたね? 目にクマができていますよ。」

 褐色肌の少年ーカノムは、指をパチンっと鳴らし、ルオの顔と激突した板を消した。

 どうやら魔術で板を張ったのはカノムのようだ。


「ふわぁあ、昨日は魔術学の論文を読んでたんだ。読んでる途中意識を失って、気がついたら、朝だった。」

「完璧に寝落ちしたのね。」

 ファミラは苦笑した。


「お願いだから、ギヌアさんの家に行く時までには眠気を覚ましといてね!」

「分かってるよ、カノムのおかげで目が覚めた。ありがとな、カノム。」

「いえいえ。」

 カノムはにっこりと微笑んだ。

(ほんと、俺が知るカノムとは大違いだ。)


「にしても、ルオは何処でも寝らことができるのね。朝あなたの部屋を開けた時、ほんっとうにびっくりしたんだから!」

「あぁ〜、驚かせてごめん。」

 

 ファミラはルオがまだ起きていないと思い、起こしに行こうと、部屋の扉を開けると、まるで推理小説の密室殺人事件のように、ルオが扉の前で倒れて寝ていたのだ。

「俺はお風呂以外はどこでも寝ることができるんだ。」

「お風呂以外?」

「入浴中だけ何故か眠気が全く無いんだ。ま、入浴中に寝るのは危ないしね。」

「へぇ〜。それよりも、ルオ、昨日はどんな夢を見たの?」

「え!なんで夢を見たかわかるんだ?」

 ルオは驚いた。

「え〜っと、何となく?」

「なぜに疑問系?」

「あんまり詳しくは言えないの〜!」

 ファミラはまた何隠すように笑いながら誤魔化した。

「俺がまた夢は、なんか誰かの過去を見せられてるような感じがしたんだ。

 めちゃくちゃはっきりしてたんだけど、今はぼんやりとしか思い出せないな。

 今覚えているのは、誰が大切な人の為に何かしようとすること。ぐらいかな?」


「うーん、過去の記憶と、大切な人の為に何かをする、ですか。もしかしたら<禁書>云々と関わってあるかもしれませんね。」

 カノムは帳面に『ルオの夢→<禁書>の関連性少々』、と書いた。


「さて、そろそろギヌアさんと会う時間が近づいてきたから、行きますか。」

「らじゃー!」「分かりました。」

 ルオの提案にファミラとカノムは元気に手を挙げた。


(昨晩のエトンの情報、どう説明しようかな。

 多少虚偽を混ぜるしかない、か。)


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