(44) <禁書>と天使
「魔術を生み出し、負の遺産たる<禁書>を生み出した魔法使いレーベヘェスは、魔法によって生み出された眷属を従えていた。その名は<天使>。白き羽を持ち、レーベヘェスによって与えられたそれぞれ固有の魔法を持つ者達。
最初に生まれた天使は<光の天使>、それ以降は<花の天使>や<炎の天使>、<癒しの天使>など様々な天使が生まれた。
そして、最後に誕生した天使は<知の天使>。天使の中でも最弱の力を持ち、唯一、心を持ってしまった天使。
その天使はレーベヘェスが生み出した<禁書>、<ラジアルの書>を持つ。
その天使はこの世の全ての魔術を知っている。
その天使は人に魔法に対抗する術を教えた。
その天使は、、後にその存在そのものがレーベヘェスを苦しめることになった。
・・・・。
・・・・、うわぁ、まじかぁ。」
ルオは帳面をスッと閉じ、天井を向いて、ため息をついた。
「先輩?」
男性は心配そうにルオを見た。
「あのレイグとかいう頭のネジ外れてしまった騎士が言ってた奴に大体当てはまってる。
<知の羽>って絶対<知の天使>のことじゃーん。
俺にとんでもないヤベェのが取り憑いているってことじゃん。
てことは、俺が見つけてしまった<禁書>って<ラジアルの書>になるんだろ?まじで終わったんだけど。
教会騎士どころか、連合にも処刑されそうなんだけど。なんでよりにもよって見つけたのが<ラジアルの書>なの?
俺、運悪すぎるだろ。」
ルオは半泣きで、顔を押さえ自分の運を嘆いた。
「そんな悲観的にならないでください!先輩!
長い目で見れば<ラジアルの書>は俺達にとっては大きなチャンス!
それに、ルオさんには頼もしい味方がついてるんです!」
「味方〜?」
「この俺ですよ!」
「・・・うん、そだね。」
男性は胸を張って自分のことを指したが、ルオは死んだ目で言った。
「なんなんですか!?その目は!?俺の一体何が不安なんです!?」
「危機感が無いことだよ。」
「そっ、そんな事はありませんって!」
男性は焦りながら反論した。
「とりあえず、味方が3人いるだけで十分、か。
頼らないけど、ありがとな、エトン。」
「頼りないのは余計ですよ〜。」
エトンと呼ばれた男性は苦笑いした。
「そんじゃ、まぁ、続きを読みますか。お前が写本した本はおそらく大当たりだ。」
「いよっし!」
エトンはガッツポーズをした。
「レーベヘェスは<知の天使>を封印することにした。レーベヘェスは<ラジエルの書>にその天使を閉じ込め、海の奥深くに<ラジエルの書>ごと封印した。封印した場所は神殿の形をし、その神殿の名、クローギヌと言う。」




