(42)ビセア式<解除>とレーベヘェス式<解除>
「さて、じゃ、授業というか<解除>の練習をして終わりますか。」
カイが帰った後、ルオは何事も無かったかのように授業を再開した。
ルオはついさっき発動させた魔術をもう一度発動させた。
「さっき<解除>したから、おそらくそこまで難しくは無いはず。」
「<解除>してた所しっかり見てたから大丈夫だと思う。」
ファミラは自身の魔力を一点に集中させた。
「別に、そこまで気合いが入ってなくても良いけど。」
「こういうとこは気持ちから入らないと!」
やる気があるのは良いが、魔力を高め過ぎて逆に大失敗するかもしれないとルオは思った。しかし、その時はその時で対処すればいい話だ。
「はいはい。それじゃ、<解除>の方法を詳しく簡単に説明するよ。
レーベヘェス式の<解除>は一言で言うと『文字の効果を消す』ということなんだ。これに似た<解除>はビセア式で"絵を消す"だけで解除できる。実は、ビセア式の方が事実上簡単だ。」
「事実上?」
「ビセア式は歴史が馬鹿みたいに長い。ビセア式魔術師は長い間簡単に『絵』が消されないようにする工夫をしてきた。
何千年も前に発動させたあるビセア式魔術があるんだけど、いまだに<解除>されない。その魔術は害があるから、連合が全力で絵を踏んだり、水をかけたりしているが、絵が消える気配がない。」
「すっご。」
「だからね〜、ビセア式は机上論では最も簡単に<解除>できるけど、術によっては『絵』が丈夫過ぎて<解除>が難しいんだ。」
「どうやって、消されないようにしてるんだろ?」
「それはカノムや、ビセア式魔術書を読めば大体分かるはずだよ。」
「はーい。」
ファミラは元気で緩い返事をした。
「脱線したけど、レーベヘェス式に戻るよ。
<解除>の手順は
①解除する魔術を頭で魔術言語に分解するイメージをする
②イメージ出来たらそのイメージを対象の魔術に魔力として付与する。
③魔力に乗せることができたら、現実でも魔術言語に分解されるから、その文字をどれか一つ何かで弾いて消す。
これが、レーベヘェス式の<解除>だ。」
ルオは指で数字を表し、順を立てて説明した。
「頭でイメージして、魔力で現実でも分解して、文字を弾く・・・。なんだか簡単そう!」
「でも、すごく難しいよ?俺、結構時間かかったし。」
ルオは苦笑いし、学生時代の苦悩を脳裏に浮かべた。
「やってみなくちゃ分からないわよ!よし、絶対一発で成功させてみる!」
「頑張れ〜。」
ファミラは宙に浮く水球を睨みつけ、魔力を高めた。
「ぐぬぬぬぬ。」
水球はまだ何も変化は起きていない。
「イメーーージを魔力に!」
ファミラはもっと魔力を高めた。
すると、水球が薄く光出した。
「お、早!」
ルオはこんなにも早くできるとは思わなかったため、驚いた。
「よし、このまま魔力をこめる!」
ファミラは足を踏ん張り、拳を握ってより大きな魔力を水球にこめた。
水球はさっきよりも強く白く光った。・・・しかし、光った直後光は消え、なにも起こらなかった。
「え?」
ファミラは全身の魔力を解き、棒立ちになった。
「<解除>には至らなかったか・・。」
ルオは淡々と言った。
「え〜、嘘〜。失敗!?」
ファミラはショックで涙目になった。
「流石に<解除>は一筋縄では行かないよ。」
「うぅ〜。」
ファミラはヘナヘナと床に座り込んだ。
「でも、今まで簡単に魔術を発動させていたんだ。きっと直ぐに出来るようになるよ。今は練習だ。」
ルオはそう言ってファミラに手を差し伸べた。
「ありがと。練習して出来るようにするわ。」
ファミラはルオの手を取って立ち上がった。
「今日は色々あったし、もう遅いから、今日はこれで終了。」
「はーい」「わかりました。」
ファミラとカノムは揃って手を挙げた。
「では、明日の朝エントランスホールに集合ということにしましょうか。ではお先に。」
そう言って、カノムは部屋を出て行った。
「じゃ、また明日ね、おやすみなさい。」
「はい。おやすみなさい。あっ、このホテルのレストランのご飯は絶品と有名ですよ。」
「ほんとっ!?すぐに行かなきゃ!!」
重要な情報を入手したファミラは部屋を出て、全速力でレストランに向かって行った。」
「さて・・・。」
1人なったルオはカイが入ってきた窓を見た。
「入ってきて良いよ〜。俺以外居ないから。」




