(32) <呪い>と花畑
「あなたは、誰?」
クレーネは謎の人物に問いかける。その人物は若い女の子だった。そして背中には白い羽が生えていた。
「<花の天使>。ご主人様の命で貴方に呪いをかけたの。そうすればあなたはご主人と同じになる。さぁ、一緒に来て。」
謎の人物ー<花の天使>はそう言った。
「クレーネは、家に帰りたい。お父さんに謝らなきゃ。お母さんとの約束守らなきゃいけないのに。」
クレーネはきっぱりと断った。
「約束って何の?」
天使は首を傾げる。
「世界樹の恵みを受けているこの街の農作物を、他の地域に広げること。だから、私は帰らなきゃ」
クレーネは変わらず帰ることを思う。
「あなたのお父さんとはもう会えないかもしれないよ?」
天使は笑顔でそう答えた。
「は?」
クレーネは天使が言ったことの意味がわからなかった。
「この世界はもう終わったの。私は貴方にこのことを伝えに来た。」
天使は地に咲く花達を優しく撫でながら、そう言った。
「世界が終わった?世界樹はまだ枯れる前兆も無いのよ?」
クレーネは否定する。
「私達の世界が終わったの。」
天使は悲しく言う。
「じゃあ、何でお父さんに会えないの!?」
クレーネはますます天使の言っている意味が分からなかった。
「私とお父さんはあなた達の世界に一体なにが関係しているの!?」
クレーネは質問攻めをする。
「あなたは本当にギネアとリフェにそっくり。・・・私達を、否定することも!!。」
天使は突然怒り出した。空は雷雲が現れ、花畑の花は枯れていった。
「あの2人はご主人様の弟子だった!! なのに、どうして裏切るの!?」
天使は泣き叫んでいた。涙は枯れた花畑に降る雨と一緒だった。
「私達の邪魔をするなら、あなたの大切な人をコロス!」
クレーネは青ざめた。
「やめて! お父さんを殺さないで! あなたと一緒に行くから、お父さんに危害を加えないで!!」
クレーネは泣きながらそう言った。
「じゃあ、行こう。」
天使は泣き止んだが、目元にはまだ涙が残っている。
「お父さん、お母さん、さよなら。」
クレーネがそう呟いた、、その瞬間!
「『惑わす花は消える、永遠の悪夢は終わる、悲しき涙は止まる、そして呪いは解かれる。』」
「!?」
空から誰かの声が聞こえた。




