(27) ウィルベリーと<道化>
「すみません、長引かせてしまって。」
検問をする街の兵士が言った。
「いえ、大丈夫です。待っている間世間話をしていたので。」
「そうですか。なら良かった。では早速始めましょう。あなた達はおそらく危害を与えない人だと思うので。すぐ終わるかもしれません。」
「本当に!?」
ルオは驚いた。もちろんカノムとファミラも同じようにだ。
「毎日何百人もの人を見てきているので、勘で分かるのですよ。」
「あ〜、確かにこの街に来る人は多いからな。」
ルオは前に来たことを思い出した。あの時も長蛇の列で、兵士がとても大変そうだった。
「オッホン! では3人とも申し訳ありませんが、お荷物を見せていただいてもよろしいでしょうか?」
ーーー
「ご協力ありがとうございました。ウィルベリーの街を楽しんで来てください。」
兵士が検問所の出口でお辞儀をする。
「さて、無事ウィルベリーに入ったので<道化>について説明しましょうか。」
カノムが歩いている2人の前に立った。
「あ、そうだったね。じゃよろしくカノム。」
「お願いね。」
「では、早速。<道化>とは世界で最も有名な犯罪組織と言っても過言ではありません。」
「え、マジ!?」
ルオは驚いた。
「はい、本当です。まさかルオが知らないとは、、、。ま、私も知ったのは昨年ですが。
1000年前に現れてからずっとこの世の生き物の命を脅かしています。とある国を滅ぼしたり、またある種族を絶滅したりと。
もちろん<教会>がこれなら黙っている事は無く、昔から大規模な衝突が良くありました。毎回衝突しても決着はつかず、<道化>はどこかに消えていきます。
最近は<道化>の活動が非常に少なく、もう自滅したのではないかと思っていましたが、9年前に奴らは再び活動し始めました。」
「聞いたことがある!<黒血のビセア>ね!アレが起きたのは<道化>だって教会の人達が言ってた!」
ファミラが思い出したかのように言う。
「・・・・。」
反対にルオは沈黙していた。
「えぇ、そうです!謎だらけで、様々な解釈がされて、一部の人達にヒーロー扱いされていた<道化>はついに化けの皮を剥がしました。いや、私達が奴らの本性を知らなかっただけのこと。
9年前の事件で<道化>が犯罪組織であることが再確認され、教会だけで無く、<魔術連合>、<天空王国>、<帝国>などの大組織が撲滅活動を始めました。もちろん被害になった<ビセア王国>もですが。
<道化>は前に述べた犯罪的な行為だけで無く、世界にとって大変許し難いこともしています。
それは、・・・人族の<魔妖化>です。」
「<魔妖化>?、・・・! まさか<道化>が人族を<魔獣>や<妖族>にしているの!?」
「そうです。<道化>になるものは必ず<魔妖化>されます。
<黒血>のビセアは何千人もの人が<魔妖化>され、他国の民を襲いました。
ですので、<道化>はあらゆる犯罪組織の中で最も消し去るべき集団なのです。
補足ですが、<道化>と呼ばれているのは、人族が<魔妖化>される時に被害者が愉快に笑うことから、そう呼ばれるようになりました。」




