(24) <禁書>と遺跡
「これが<禁書>の始まりです。<禁書>は見た目で判断することが不可能で、<魔術書>と思って開いたら、<禁書>だったというケースがよくあります。俺もそれに当てはまるけど・・・。」
「はい、質問。」
ファミラが手を挙げた。
「発見された<禁書>はどうなっているんですか?」
「例外無く<魔術連合>に保管されています。見ることは絶対にできませんが。」
「ルオが見つけたのも?」
「うーん・・・。」
ルオは目をつぶり、額に手を当てた。
「分からない・・・。あの後何が起きたのか分からない。」
「「え!?」」
ファミラとカノムの声が重なる。
ルオはメガネを外し、特別授業を終了させた。
ルオは深くため息をした。これ以上<禁書>のことを話続けるといずれ遺跡のことも話すことになる。
「祭壇に置かれた本が<禁書>だとは始めはもちろん分からなかった。俺たちは遺跡の重要な物だと思って、その本を早速開けたんだ。<禁書>であることも知らずにね。」
「・・・開けたらどうなったの。」
「本の中から変なのが出てきて、俺は意識を失ったんだ。で、気づいて時には誰もいなかった。そしてその後に教会騎士達が来て、俺は連行されていった。」
「つまり何が起きたのかは分からなかったってことね。」
「うん。そんな感じ。」
「意識が戻った時には誰も居なかった。ですか。ルオ以外の証人がいませんね。もし彼らが消息不明ならば、ルオの冤罪を晴らしてくれませんね。」
(カノム、ファミラ。ごめん。俺は多分冤罪じゃない。普通に罪人だ。)
カノムとファミラが自分が無罪であると言ってくれるのは嬉しいが、2人に嘘を付き続けているので、胸が痛い。
近々嘘を付いたことを言わなくては・・・。
「よし!」
ファミラが椅子から立ち上がった。心の中で何か決まったようだ。
「私はルオの冤罪が晴れるまで教会騎士から守るわ!正しき道に進む者を支えるのが、騎士の務め!なぁにが裏切りよ!私はもともと一匹狼だっつうの! ・・・最初から、仲、悪いし・・・。」
最後だけ音量が下がったが。ファミラはルオと一緒に行くことを決めた。
「私、カノムももちろん助力します。いや、させてください。あの時の借りを返す番です。」
カノムも立ち上がった。姿はあの時と全く変わらないのに、心の強さ、精神が遥かに成長している。
「・・・2人とも、ありがとう。俺も頑張る。」
ルオは意味もない事をする2人に、申し訳ないと思いながら、立ち上がった。
「いよーし!じゃぁ出発! で、どこに行くの?」
相変わらず彼女は知らない道を進んでいく。
ルオはそんな彼女が羨ましかった。自分には持っていないものを持っている。
「天空王国ですが、私の魔力が回復しきっていないので、ここからレクテの道中にある<ウィルベリーの町>に行きましょう。ここから少し近いのでまずはそこが目的地です。」
「<ウィルベリーの町>か、あそこは山の中にある町で、どこの国にも属していない町、<自由都市>でもあるんだよな。」
「山の中に都市があるの!?」
「ウィルベリーは風車が有名な農業町だけど、商業施設が充実してて、住人が多いんだ。あの町に行ったら、自分の認識が覆されて面白いよ。」
「ウィルベリーか、行ったことがないからすごく楽しみ!」
「あなたには大事な任務があるのですよ?」
ウキウキなファミラをルオが釘を刺す。
「大丈夫、分かってる。」
ファミラは真面目な顔でカノムにそう言った。
「えっと、次の目的地はウィルベリー。道中山の中を歩くけど、そこまで険しくないから早く着くと思う。」
「いよぉーし♪ じゃあウィルベリーへレッツゴー!」
「「おー・・・。」」
「そこ!声が小さい!」
こうして3人は風車の町に行くことになった。




