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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
23/60

(22) 遺跡と疑問

ー現在ー


「これが私があなたを助けた理由よ!」

「「いや、わからん!」」

 ルオとカノムは揃って突っ込んだ。


「何がわからないの?大方言ったはずよ?」

 ファミラはなぜ2人がわからないと言ったのか理解できなかった。


「俺たちが知りたい情報が入ってないんですよ?」

「え?」

()()です! 禁書に書かれたあったこの文字です!」

 代わりにカノムが、文字が書かれた紙を持って言った。


「あ、それは()()()()()()()()()()・・・。」

「「団長関係ないんかい!」」

「ごめんなさい、説明不足で。」

 ファミラは手を合わせて謝罪した。


「まぁいいでしょう。団長が我々の後ろにいるのなら、私もルオを助けるのが簡単になります。<獣ノ隊>が以前からおかしいのは他の部隊も知っています。」

「一体、どういうふうにおかしいんだ?」

「そうですね。ルオは以前の<獣ノ隊>に会ったことがないのでわかりにくいかもしれませんが、獣ノ隊(彼ら)が独断で動くようになっていったんです。普段は任務を着々とこなす仕事人だったのに、今は勝手に動いています。それによって人の命が危うくなったりして、今は行動を制限されています。」

「そうそう。最近隊長や同僚がなんか血気盛んで。あ、私はちゃんと任務をこなしてるから。」

「知っています。ファミラさんは、そんな獣ノ隊とは別に1人で任務をしていると部下から聞きました。」


「もしかして、<獣ノ隊>に何か起きたのかな?魔術師としての見解だけど、催眠系の魔術にでもかけられたとか?」

「そうかもしれませんし、違うかもしれません。でも、<獣ノ隊>は我々の障害()となるでしょう。」

「あの人たちと戦うのか・・・。」

 ルオは彼らのことを思い浮かべた。副隊長レイグは恐ろしいほど強かった。もしまた会ったら今度は間違いなく殺されるだろう。


「大丈夫よ、ルオ。副隊長は私がなんとかするから。もし副隊長が戦う時は援護よろしくね。」

「ありがとう、ファミラ。」

 ファミラがどれほど強いのかまだはっきりとまだわからないが、なぜか不安が消えていった。


「なんだがいい雰囲気ですみませんが、ルオの番ですよ、次。」

「あ・・・。」

 ルオは次自分が、話す番であることを忘れていた。いや、このままずっと忘れていたかった。


「どうしても、話さなきゃいけない?」

「それほど辛いのでしたら話さなくても大丈夫ですよ。ただ、2人の事情がわからなかったら、この後どう動くのかわからないので。」

「あー、確かに。私護衛しろって言われただけだけど、いつまでなのかわからないしね。」


「ルオ、簡単にいいので、<禁書>を見つけた経緯を話してくれませんか?」

「それぐらいなら、わかった。」

 ルオは椅子に座り直した。


「2週間前だったかな? <魔術連合>に()()()()が来たんだ。そこには最近発見された遺跡の調査をして欲しいことだったんだ。

 遺跡の場所は<天空王国レクテ>の近くにで、名前は<クローギヌ遺跡>だった。

 依頼主は不明で、報酬が()()()()()()()()()()から、この依頼は連合のお蔵入りになるはずだったけど、なぜかわからないけど風向きが変わって、依頼を受けることになったんだ。

 遺跡の調査チームは俺と何人かの魔術師と、<学園>の研究者、レクテ王国の魔術師、そして<魔術連合>依頼した傭兵団<羊の群れ>だった。」

「<羊の群れ>?」

「何年か前に結成され、結成当時から<魔術連合>の依頼を受けてくれている組織らしい。元連合の人もいたり、傭兵団から連合に入ったりと、かなり繋がりがあるんだ。」

「連合と仲が良い組織がいることは()()です。ルオも彼らと一緒に連合の仕事をしていたのですか?」

「もちろん。遺跡を調査するときもいつもメンバーだったな。

 あの時はみんなで未知の遺跡(クローギヌ)に足を踏み入れる最初の人間だからとってもワクワクしていたよ。

 中はこの紙に書いてあるような見たことがない文字が壁一面に書かれていて、遺跡内に住み着いている生物も新種で<学園>や<教会騎士>の人たちも来ればよかったのにと思った。

 遺跡に魔物はいたけど、そこまで強くはなかった。傭兵団や同僚がいたのが理由だね。1人で探索するには難しいけど、何人かいたら案外簡単に進める感じだった。遺跡特有の罠も全く無くて、この遺跡は一体何のためにあるかわからなかったな。

 あ、そういえば疑問に思ったことがいくつかあったんだ。」


「疑問、ですか。」

 カノムが『疑問』という言葉に食いつく。カノムは出会った時から『疑問』というものを追求するのが好きなやつだ。

「そうそう、なんかあの遺跡おかしかったんだよな。レクテ王国の近くに遺跡らしい遺跡はなかったんだ。それが()()()()()()かのように<クローギヌ遺跡>が現れたんだ。

 レクテ王国はこの場所に遺跡があったかどうかは不明の一点張り、<学園>側には関係する文献や資料が無く、未知の文明だと思って遺跡に行くことを真っ先に志願してた。そして俺ら連合はもしかしたら遺跡に<魔法>に関する資料があるかもしれないって思って、調査に参加した。

 もう一つの疑問は、遺跡内で誰かが生活していたような()()があったんだ。それも何百前のとかじゃない。()()()()にできた痕跡だ。遺跡は発見されたのは約3()()()()のに、何ヶ月前に誰かが遺跡で生活していたんだ。おかしいと思わないか?」


「確かにおかしいわね。それって他の人もそう思ったの?」

 ファミラが質問する。

「うん。最初に気づいたのは<学園>だったけど。

 その後奥へと進んでいくと、何やら祭壇のような場所に着いた。おそらくここが最深部だろうと思った。そしてそこに例の<()()>が祭壇の上に置かれてあった。」


「なるほど。祭壇に置かれてあると言われると、その<禁書>の持ち主は位の高い<()()使()()>だったのでしょう。」

 カノムがうんうんとうなづきながら推測した。


「ねぇ、ずっと疑問に思っていたんだけど。<禁書>って何?」

「「ズコォっ!」」

 ルオとカノムは椅子からひっくり返るように地面に落ちた。


「そういえば<禁書>について全く説明してなかったよ。それじゃここで特別授業を始めますか。」

 ルオは壊れたメガネをかけて、特別授業を開けた。

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