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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
19/60

(18) 隠し部屋と悪友再会

 隠し部屋で少年が来るまで、ルオは椅子に座り休んでいた。傷は完全に塞がり、多少激しく動いても平気なほど回復した。救急箱入ってあった軟膏が効いたのだろう。あとで感謝しなくてはとルオは思った。


「これなんて書いてあるんだろう?もしかしてこれも<神代語>?なんか絵みたいな文字ね。」

 その一方でファミラは本棚の本を見ていた。

「それは多分<ビセア語>ですね。象形文字はあの国でしか使われていませんから。」

「ビセアって()()王国よね?<黒血のビセア>の。」

「えぇ、9年前に起きた大厄災です。あれを起こしたのは魔法使いだと言われています。死傷者は2千人で、人的被害だけでなく建物の被害も大きく、国の城などの重要施設が全壊するほど事件だったようです。」

「でも、よく元に戻ったわね。2年前にあの国に観光客として行ったんだけど、厄災の面影もないほど元に戻ってたわ。人の力ってすごいのね。」

「ビセアの魔術師は優秀な方が多いですから。」


 ギィイイイ!

 扉が開く音がした。コツコツと足音を立てて、あの少年が入ってきた。

「遅くなってすみません。教会の獣に少し手こずりまして。」

獣ノ隊(私たち)は戦闘特化の部隊だから、当然よ。」

「どうせお前の十八番でなんとかしたんだろ?」

「はい、まさか彼らに効くとは思いませんでした。ところで、もう傷は大丈夫ですか?見たところ治っているようですが・・・。」

 少年はルオの腕を見て言った。

「傷はもう治りかけているけど、大量に出血したおかげで貧血だよ。」

「話すことができるぐらいなので、輸血をしたら大丈夫みたいですね。よかった、大事に至らなくて。」

 少年はどこからか赤い立方体の塊を取り出した。そして、その塊から細い赤い糸のようなものを伸ばし、ルオの腕に取り付けた。

「しばらく安静にしてください。」

「わかってるよ。」


「さて、改めてファミラさんに自己紹介しなくてはなりませんね。と言っても私は地の隊の隊長なので、ご存知のようですが、名前などの情報は知らないと思うので。」

「確かに地の隊長の名前は知りません。」

 ファミラは首を横に振った。


「私は教会騎士地の隊隊長カノム=ギオラニスです。私の部下からはよくカノム隊長と呼ばれています。年は10歳で、現在最年少で隊長をしています。ちなみに、森であった時の最初の口調と違いますが、あれは副隊長君を挑発するためです。」

「隊長ね・・・。まさかあんたが教会の人間になるなんて驚いたよ。」

「ルオ、私と久しぶりに会うから嬉しいのはわかりますが、ファミラが困惑していますよ。」

「え?」

「私と話すときの口調になっているのです。どうせ他の人とは敬語で話しているのでしょう?私の影響でしょうけど。」

「あ、しまった。つい・・・。」

「ううん、大丈夫、ルオの意外な一面が見れてちょっと面白いかも。もういつもの感じで話してもいいと思うよ。」

「・・・わかりました。では・・・、あぁ!」

 懐からあるものを取ってかけようとしたが、それは壊れていた。


「あぁ、メガネが。」

 ルオは緊張をほぐすための神器が使い物にならなくなり、肩を落とした。目には涙を浮かべている。

「だー!もう!私たちは初対面じゃないから、もうメガネをかけなくてもいいでしょ!」

「そうですね。覚悟を決めなくてはいけませんね・・・。」


「あの、ルオ・・・。」

 カノムが恐る恐るルオに質問した。

「どした?」

「ルオは()()までメガネなんてかけてませんでしたよね?なんで急に・・・。」

「それは・・・、僕が人見知りだから・・・。」 

 ルオはカノムの質問を明確に答えることができなかった。

「ルオが人見知りなんて・・・・、いや、()()()()()()()()()()()。私は・・・。」

 カノムはルオの言葉を否定しようとしたが、なぜが肯定する()()()言った。2人の間に気まずい空気が流れた。


「あー、はいはい! カノム隊長とルオの再会はこれで終了! 今は、何が起きているのか確認をしましょ!事の全貌が見えなければ何も解決できないんだし!」

 ファミラはパンパンと手を叩き、気まずい空気を無理やり追い払った。いきなり耳元で音がして悪友2人は驚いたが、ファミラの気遣いだとわかり、フッと優しく微笑んだ。


「ファミラの言う通りだ。カノム、僕はどうして無断で処刑されようとしたんだ。確かに僕は処刑されるほどのことをしたと自覚している。でも、ファミラと一緒に脱出して、その後獣ノ隊が僕たちを襲撃してきた。客観的というか広く見れば、逃げた囚人を捕まえるように見えたけど。副隊長は僕が処刑される理由は僕が()()()()()()()()()()()()。僕は一体何かに巻き込まれていると思うんだ。何か知ってる?」

「確かにルオは大きな陰謀に巻き込まれています。とりあえず私が知っている限りのことを話しましょう。それでいいですね。」

「あぁ、よろしく。

 ルオは唾を飲み込み、背筋を伸ばす。ファミラもルオと同じく背筋を伸ばした。


「単刀直入にいいます。ルオが数日前に遺跡で見つけた<禁書>が全ての元凶です。あれが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


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