(10) 魔力制御と魔術言語
「魔力制御を使いこなすには、かなりの時間がかかります。それを出来る限り早くするのでしたら<詠唱>を使って魔術を練習することしかありません。ですので、さっき言ったように魔術言語を覚えましょう。」
「うぅ、、、。」
ファミラは座学が苦手なようだ。
「現在の時点では、魔術言語が必要なのは<レーベヘェス式魔術>のみです。というか魔術はレーベヘェス(式魔術)のみです。魔術言語は多く、覚えるのは難しいですが、<詠唱>だけで正確な術が発動できます。」
「それって覚えやすいの?」
「そうですね、、。」
ルオは魔術言語を必死に覚えていたときを思い出した。
言語の一部はある記号が関連していたが、自身はそれはあまり詳しくなかったので、覚えるのに時間がかかった。
「ファミラ、音楽の知識はどれくらいありますか?」
「え?、まぁ音楽記号は知ってるぐらいの知識だけど、、。」
ファミラはなんの脈絡のないような質問に困惑したが、一応答えた。
「じゃあ覚えるの早いかもしれませんね。」
「え?、もしかして<レーベヘェス式魔術>って音楽記号が使われているの?」
「はい、そうみたいです。"ラルゴ"や"プレスト"のような速度記号は魔術の発動(発射)速度に、"フォルテ"や"ピアノ"のような強弱記号は魔術の強弱に使われています。
しかし、のようにそのまま使いません。音楽記号の中には、字数が多いものもあるので統一して3文字と決まっています。
基本はになるように最初3文字を使いますが、"メゾ・ピアノ"が<メフォ>になることもあります。」
「音楽記号を覚えておいてよかったわ〜。讃美歌を練習していた努力は無駄じゃなかったのね!」
座学と聞いて気分が下がっていたファミラだが、覚えることが意外と簡単だったので、気分が元に戻った。
「では、基本の魔術言語をこの帳面書いて置いたので、明後日までに覚えて置いてください。覚えてるかどうかテストをしますので。」
「いや、明日でいいわ。一人前の魔術師になるのなら、一刻も早く完璧に覚えておかないといけないじゃない!」
ルオはファミラの自信に驚いた。自分は覚えていても、不安で試験は毎回延期してもらえるように、願っていた。
「わかりました。明日テストを行いましょう。分からないことがあれば言ってください。」
「うん、わかった。」
「では、2.5回目の授業はここまでです。」
「ありがとう、助かったわ。」
「どういたしまして。俺はこの辺りで公国の状況について調べに行きます。明日出発ですからね。」




