(9) 本日2回目の授業と魔力制御
魔物が無事倒されたのを知ると、人々は歓声を上げ喜んでいた。中には安心して泣いている人もいた。幸い死傷者もいないので、完全な勝利と言えるだろう。
ルオとファミラは、魔物を倒してくれたお礼として宿代とご飯代を無料にしてくれた。2人は断らず、ありがたくいただいた。
ーーー
「では、第2・5回目の授業を始めましょう。」
ルオは眼鏡を掛け直した。もうこれがルオの授業の合図になっていた。
「さっきしたじゃない! それに座学は変更して実践になったじゃない!」
ファミラは不服のようだ。
2人は宿屋の外にいた。辺りは木が生えていなく、生き物も見かけない。
「甘いですよ。未来の星騎士さん。魔術を一回使っただけでは魔術師とは言えません。あれは僕のサポートも一応入っていましたからね。サポートがなければ、成功する確率は低かったですよ。」
「証拠はあるの!?」
「えぇ、では試しにあの木に向かって火球を放ってみてくださいよ。」
「見てなさい。」
ファミラはドシドシと歩き、目標物の前に立った。
「<フィアルエ・ドス>!」
すると、ファミラの手から二つの火球が飛び出し、木に当たった。木は当たった部分だけ黒く焦げたが、そこまで燃えていなかった。
「あれ?さっき魔物に撃ったあの威力は?」
ファミラは的の木を見て疑問に思った。
「そう言うことですよ。」
「どう言うこと?」
「ファミラはまだ魔力制御ができていないのです。」
「まりょくせいぎょ〜?」
ファミラは首を傾げた。
「はい、ファミラはあの時詠唱や魔術の軌道しか注意していなかった。確かに軌道は魔術を使う上では大切です。ですが、発動するために使う魔力を制御するのも大切なんです。」
「魔力制御って難しいの?」
「はい難しいです。これがある程度できないと一人前魔術師とは言えません。」
「えぇ〜。」
ファミラは絶望の声を上げた
「いいですか、ファミラ。魔術は魔力制御の質が上がるにつれ、あるものを法則に従わず、自分でカスタマイズできるのです。」
「あるもの?」
「それは<詠唱>です。<レーべヘェス式魔術>はきちんとした法則性があるのです。それが<詠唱>。これは魔力制御がまだできない人が、魔術を行使するときに1番必要になってきます。例として、ファミラが使った詠唱を少しいじってみましょう。」
ルオは別の木を的として魔術を放った。
「<ピアニ・フィアルエ>!」
すると虫のような小さな火球が木に当たった。当たった場所はシュウゥと煙をたて、少し黒くなった。
「<フィアルエ>の前に<ピアニ>っていう言葉がついてる!?」
「<ピアニ>は魔術の威力を弱める魔術言語です。」
「まじゅつげんご〜?」
また新たな未知の言葉が出たので、ファミラは首を傾げた。
「魔術を使うために必要な言語です。これを多く入れれば入れるほど、魔力制御なしでより正確に魔術が発動できます。」
「じゃぁ私は魔術言語を覚えればいいのね!」
「その通りです!ではここから座学になります。」
「えぇ〜!!!」
ファミラはさっきよりも絶望した声を上げた。




