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忘れたくない。

爾志の呼び出しが終わって

俺は教室に帰ってきていた。

終わったといっても腹が痛いといって

逃げただけだが···。

そのかわり一緒に帰る約束をした。

ていうかされた。


「昼ご飯食べたの?」

瑠璃が急に話しかけてきた。

「瑠璃···お前なぁ急に消えるなよ。」

「だってあの娘の視線が

怖かったんだもん。」

「えぇ···。」


爾志の視線がこわい?

とくに爾志は目つきが怖いとかじゃない

気がするんだが。


「で、昼ご飯食べたの?」

「食べてないな。」


呼び出しが終わってから

俺は昼を食べる気分になれなかったのだ。

でもその選択を後悔している。

普通に腹減った。


「はい、これ。」


渡されたのは

焼きそばパンと牛乳。


「買ってきてくれたのか?」

「食堂で待っててもこなかったからさ。

もしもの為にね。

お金は後で返してね。

じゃ、僕は席に戻るから。」

「おう。ありがとう。

ちゃんと返すよ。」

そういって俺は焼きそばパンを食べる。


瑠璃はいいやつだな。

本当に俺は友達に恵まれたと思う。

竜斗がこっちを見て席に戻ってきた。


「愁斗···ついに克服したのか?」

泣きそうな顔で聞いてきた。


話が見えない。


「どういうこと?」

「可愛い女の子と一緒にいたらしいじゃないか。」

「あぁ、あれは···」


そういうんじゃないと

言おうとしたけど一概にも否定できない。


「まぁ、色々あるんだよ。」

曖昧な受け答えをしておく。

「なんだよ、歯切れ悪いなぁ。

いつかはちゃんと言ってくれよぉ。」


やっぱりいいやつだな。

いうかどうかは···

俺の心に変化があったらだな。


「てかさ、お前が今朝振った女の子

こっち見てない?」


ちらっと見てみる。

目があった。

怖い。

殺意を感じる。

俺はすぐに目を離す。


「振った女の子が同じクラスにいるのは

気まずいな。」

竜斗は小さい声で

「愁斗が可愛い女の子と喋ってたからだと

思うけど。」

「え?」

「いや何も。」


聞こえてるけどな。

竜斗、声でかいんだよなぁ。

てかそういうことか。

忘れなれない娘がいるとかいっといて

その後に可愛い女の子といたらいい気は

しないわな。

別に俺が望んだわけじゃないんだけどなぁ···。

誤解を解くのもめんどくさいし

機会があったらでいいか。


「次の授業は?」

「数学だ。」

「憂鬱だ。」



キーンコーンカーンコーン


6時間目が終わる。

竜斗がとても嫌そうな顔をしてる。

「部活?」

「そうだよ。嫌だなぁ。」


竜斗はサッカー部だ。

星翔学園は勉学にも部活にも

力を入れている。

だからすげぇきついらしい。


「愁斗も部活入れよ。」

愚問だな。

「嫌だ。」

「即答かよ。」


俺は運動神経が言い訳でも悪いわけでもない。

ただスポーツに熱心に打ち込める気がしない。

文化部は文化部で一度ある程度体験してみたが、付いて行ける気がしない。

てか一番の理由は面倒い。


ちなみに瑠璃は吹奏楽部。

これまたきついらしい。


「はーい。皆さん座れ。」

飛鳥先生が来て終礼が始まる。


「起立、礼、ありがとうございました。」

「「「ありがとうございました。」」」


終礼が終わり、皆、机を下げる。


この学校は終礼が終わってから掃除だ。


俺はダッシュで階段をかけ降り

玄関についたとき

肩を掴まれる。

「愁ちゃん?どこいくの?」

力が強い。

「いや···。それはですねぇ··。」


結構はやく降りてきたんだが。

そういや昔から爾志は脚が速かったな。


爾志は怒っているらしく

声色が低い。

「とりあえず一緒に帰ろうっていったよね?

そこで話そっていったよね?」

「···はい。おっしゃる通りです。」

「よかったよ。念の為はやく降りてきてさ。」

「取りあえず帰りましょう。」

「なんで愁ちゃんが言うのさ。」


俺は乗り気じゃない。

俺はずっと待っている。

また目を開けてくれる事を。

覚えていなくてもいい。

ただもう一度声を聞きたい。


横並びで帰る。

会話はない。


「きまずいね。」

「···そうだね。」

「····。」

「····。」


誘ったのは爾志さんですよね?

なにを話せばいいかわからないんだろうか。


「爾志は部活やってないの?」

爾志は俺が話を切り出したのが嬉しいのか

笑顔だ。

「やってないよ。

部活と勉強の両立ができないんだよね。」

「レベル高いもんなぁ。

そういや頭よかったっけ?」

「愁ちゃんがここくるって昔いってたでしょ?

だから頑張ったの。」


こ···こいつ。

平気ですごいこと言うな。


「···へぇ。」

「反応薄いね。」

「どういう反応すればいいんだよ。」

「照れてくれるかなって。」

「尊敬の方が勝つよ。」

「本当に頑張ったんだよ。でも頑張ってきたのに愁ちゃんは忘れてないし。」

「···よく忘れられたな。」

「忘れてないわけじゃないよ。

たまに思い出しちゃうし。」

「なら爾志も···。」


少しうれしかった。

自分だけじゃないんだと思った。


「でもなにもしないのは違うよね?」

「···ごもっとも。」


俺はあの日から忘れる努力どころか

1ヶ月ぐらいは部屋にこもって泣いていた。


すこし静寂が続いたので

俺は話を変えることにした。


「帰り道同じだったんだな。」

「もしかして私の家わすれちゃったの?」

「なんとなくは覚えてるよ。···多分。」

「ずっと凛ちゃんに夢中だったもんね!」


拗ねてるっぽいな。

確かに爾志には関心はなかった気がする。


「ていうかあんまり家にいってなかったじゃん。」

「それもそうなんだけどさぁ。

じゃあ凛ちゃんの家は覚えてる?」

「すぐ思い浮かぶ。」

「むぅ···。」


自分でも驚くぐらいに

明確に思い浮かぶ。

それだけ夢中だったんだろう。


「自転車でもこれるのに何故歩き?」

「愁ちゃんと同じ理由。」

「歩くのが好きなのか。」

「うん。」


歩くのはいい。

歩いて30分ぐらいまでなら平気であるく。

ちなみに学校までは20分ぐらい。


爾志が顔を赤くしながら

「これからさ···。

一緒に登校、下校しない?」

ちらちらとこちらの様子をうかがっている。

「いやだね。」

「そこはいいよの流れじゃん。」

「わかってると思うけどさ、

俺は忘れることに乗り気じゃない。」

「ふーん。」


機嫌が悪いな。

それもそうか。


「でも愁ちゃんが否定しようと

勝手に付いていくけどね。」

「えぇ··。」

「ちゃんと呼びにいくから。」


強引になってきたな。


「怒ってます?」

「怒ってない!!」

俺はハハハと笑う。

「··なんで笑うの?」 

「なんでもないよ。」 

「もう。」


女の子と話すのを敬遠してた所があるから

久しぶりにちゃんと話せて嬉しい。

まぁそのせいで俺の性格を勘違いしている

女子が一定数いるんだけど。


交差点につくと

「私、ここ右だから。

じゃあね。ちゃんと明日いくから。」

「じゃあ。」


よし。

明日はいつもよりはやく出よう。


戦闘力5のカスを見つけていただいてしかも読んでいただきありがとうございます。

ダメな所

直してほしい所

などなどあったらドシドシお願いします。

こういう展開がいいとかでも歓迎です。

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