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ボッチ・オブ・ザ・デッド  作者: 骨肉パワー
二章 細川雄二 「選択肢の果てに」

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第28話

・戦う


・逃げる


 雄二の脳内で再び2つの選択肢が提示される。


 「……っ」


(アホか俺は?この状況、この場面で選ぶ選択肢なんて1つしかないだろ)


 雄二が体勢を切り替え後方へと全力で走り出す。


「はぁ…!はぁ…!!」


(そもそもあいつらは殺せるのか?どうやって戦うのが正解なんだ?)


 背後をちらちらと振り返りながらも雄二は懸命に走り続ける。


(疑問ばかりで確証が1つもない。この状態で戦うのは自殺行為だ)


「…っ!…っ!!」


 雄二は自分でも気づかぬうちにドアへと体をぶつけていた。


(建物!鍵は…施錠されてない!チャンスだ!!)


「…っ!」


 雄二が滑り込むようにドアを開け建物内部へと飛び込む。足をもたつかせながらも即座にドアへと戻り鍵を施錠。ドアノブを盾の代わりのように掴みながら雄二が息を殺しジッとその場で静止する。


「……」


 1分。そして2分と時が経つ。3分が経過。そこでようやく雄二は全身の緊張を解いた。


「…はあああああ……」


 近くに設置されていた清掃用のロッカーにもたれかかり雄二はぐったりと顔を落とす。


「……」


 生き残った。その安堵感を上回る危機感が雄二の精神を焼き続ける。雄二の顔は曇ったままだ。


「…武器だ。とにもかくにも武器が必要だ」


 しばらくして重い体を持ち上げつつ雄二が清掃用のロッカーの内部を漁り始める。


「…これは……」


 雄二が見つけたもの。それは清掃用のデッキブラシだ。長い木製の棒の先端にブラシが付いている。ごく普通の清掃用具だ。


「確か、こんな感じだったよな…」


 先端部分を足で押さえつけながらブラシ部分を強い力で回転させる。するとブラシ部分が外れ金具だけが先端に残った状態になった。


「…まあ、素手よりはマシだろ」


 化け物相手には余りにも頼りない木製の木の棒。それを持ちながら雄二は建物内部の散策を始めた。


 

 20××年4月1日 14時30分


「後は…ここだけか……」


 雄二が散策していた建物。その施設は運動用に作られた施設だ。大部屋が1つ。そして備品が置かれた小部屋が2つ。雄二が飛び込んだ部屋はこの小部屋だった。


(もう1つの小部屋は完全に荒らされていた。残るはこの大部屋だけ…)


「……」


 一呼吸。そして雄二がゆっくりとドアを開けていく。


「……っ!?」


(うっ!?)


 大扉の先ではまたしても地獄の光景が広がっていた。大量のゾンビ達による人間の踊り食いパーティー。臓物は暴かれ腸は乱雑に引きずり出され食いちぎられ変形しネジ切られたであろう大量の頭部がボールのように床に転がる。大量の死体に群がる亡者達の肉を咀嚼する音がある種の合唱曲のように雄二の耳へと届いた。


「……」


 想像を超えた残虐な光景に雄二の思考は一瞬だけ完全にショートしていた。そして初歩的なミスを起こしてしまう。扉を開ける時に響くそのギイイッという音。それを反響させてしまったのだ。


「あっ……」


 そしてその口から声を出してしまう。立て続けのミス。そして、それがついに決定打となった。大量のゾンビの意識が一斉に雄二へと向かう。


「「「「「「「「「「きょわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」」」」」」」」」

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