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雨を忘れないで

作者: つむぐいと
掲載日:2022/05/22



聞こえるかしら…


窓の外は雨が降っているから



小さな声であなたに言った


もう長くないからと


それだけですべてを理解してね




わたしは覚悟しているから


これからの時間をどう過ごすか



あなたがくれた時間はもう


私が返すことはできないから




優しさのかたまりがばらけて

しまいそうで怖いから



約束したよね


迷惑かける時はさよならすると



今がその時間(とき)です


だから


寝ているあいだにそっと居なくなって

ほしいから


なにも言わず去ってください




わたしのこころも


辛い思いをしたくないから




雨が降っているから


傘を持っていってね



ちょうど窓ガラスが濡れているから

なにも見えなくてよかった


あなたを追いかけなくてすむから




雨が降っているから


傘をもっていってね



わたしのために震えてるいる肩も

かさでみえなくてよかった


わたしの涙もみなくてすむから




雨が降っているから


傘を持っていってね



あなたから借りた大きな傘を

わたしはつかわないから


ふたりでもう傘に入れないから





約束したよね


迷惑かける時は何も聞かないと



今がそのときです


だけど……ほんとうは



寝ているあいだもずっとそばにいて

ほしいから


なにも言わず抱きしめてほしい




聞こえるかしら…


窓の外は雨が降っているから


何もかも捨ててあなたにすがりたい



いつまでも降り続く雨のように


泣き続けても見捨てないでほしい



嘘つきと罵ってもいいわ



やっぱり離れたくないから



雨が降っているから


傘がいらなくなるまでいて欲しい



たとえ私が静かになって旅立ってしまっても




雨が降っているから


いつか止むまで私を忘れないでください




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