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「城崎さん気を付けてね、あいつムッツリスケベだから」


「茜さん、適当な事を吹き込むのやめて貰えます?」


「だってそうだろうが! お前私の着替え覗いたくせに!」


「え?」


「い、いや……あれはだから……」


 こんなところでそんな昔の話しをしないで欲しい、城崎さんの俺を見る目も心なしかさっきと違って冷めている気がするし……。


「あれは茜さんが変なとこで着替えてたからでしょ!」


「更衣室が壊れてたのアンタも知ってたんだから、明らかに覗き目的で私が着替えてる部屋に来たんじゃ無い!」


「だ、だからそれは……」


 今から半年前、俺は事故で茜さんの着替えを覗いてしまった事があった。

 その時は丁度女子更衣室が壁紙の張り替えをしていて使え無く、茜さんは仕方なく俺の家の洗面所で着替えていたのだが、そこに運悪く帰ってきた俺が洗面所の戸を開けてしまったのだ。


「だいたい、俺だって被害者ですよ、見たくもない……って茜さん!? なんでビール瓶を持ってるんですか!」


「頭と顔面どっちが良い?」


「なんですかその地獄しか無い二択は!!」


「あんたねぇ~……いい加減にしなさいよぉ!!」


「うぉ! やっべ!」


「まてぇー!!」


 どうやら俺は地雷を踏んでしまったらしい。 茜さんはビール瓶を持って俺を追いかけ回してくる。

 その様子を見て、茜さんの隣に座っていた真奈美さんはゲラゲラ笑っていた。


「あははは! 平斗君、口は災いの元だよ!」


「この人は存在自体が災いですよ! うぉっ! あ、あぶねぇ……」


 茜さんはビール瓶を振り回し俺を睨んでいる。


「あ、茜さん落ち着いて……」


「これが落ち着けるか! 初めてだったんだぞ! 男に裸見られたの!」


「そ、そんな大声で言わないで下さいよ!」


 茜さんがそう行った瞬間、先程まで他の話題で盛り上がっていた大人達が、俺と茜さんを茶化し始めた。


「なんだ平斗! 茜ちゃんの裸見たのか!」


「あちゃー、これは男として責任を取るべきだなぁ!」


「あらあら、平斗も年頃なのねぇ~」


「だ、だからアレは事故で……」


「うむ、故意であったとしても事故だったとしても、女の子の肌を見てしまったのはいかんな。平斗、お前は茜ちゃんに何か詫びをしたのか?」


「え? い、いやしてないけど……」


 父さんの言葉に俺は言葉を詰まらせる。


「だったら、ちゃんとお詫びをするべきだ」


「ま、まぁ……確かにそうだけど……」


「ほら見ろ~、全部平斗が悪いんだ!」


「うっ……」


 確かにそうなのだが、ここまで得意げに言われるとなんか悔しいな……。


「じゃあ、俺は茜さんに何をすれば良いんですか?」


「え、あぁ……じゃ、じゃぁ……私とその……えっと……」


 俺がそう言うと、何故か茜さんは顔は顔を赤く染め、モジモジし始めた。

 なんだ?

 そんな言うのも恥ずかしいような事をさせる気か?

 マジかよ……この人鬼か?

 真奈美さんもなんか茜さんを応援してるし。

「わ、私とその……つ……」


「つ?」


「つ……つき……あ…って言えるかぁ!!」


「はぐぅ!」


 茜さんはそう言うと、持っていたビール瓶を俺に投げつけてきた。

 ビール瓶は俺の顔面に命中し、俺はそのままその場に倒れ込んだ。


「な、なんだ……」


「あれだ! 平斗! お前は私の突きの稽古に付き合えって言おうとしたんだよ!」


「じゃぁ……なんでビール瓶を……投げたんですか……」


「手が滑ったんだ!」


「んなアホな……」


 こうして、俺は茜さんの突きの稽古の練習の為、再びしばらく道場に顔を出すハメになってしまった。

 まさか、半年前の話しでこんな事になるなんて……。


「はぁ……」


「あ、あの!」


「ん?」


 俺が席に戻ると、うれしそうな顔で城崎さんが俺にこう言ってきた。


「あ、あの! 私にも色々教えて下さい!」


「あ、あぁ……うん」


 なんか色々面倒な事になってきたな……。

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