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 待ち合わせは、駅前のベンチ。

 弁当まで作ってきてくれるなんて、少し悪いな……。

 飲み物くらいは僕が奢らないと。

 なんてことを考えながら、僕は駅前のベンチに急いだ。

 集合時間の15分前くらいに到着したが、ベンチには初白さんはまだ居なかった。


「まだ来てないのか……まぁ、まだ15分もあるしな」


 僕はベンチに座って、初白さんを待っていた。

 それにしても、平斗から来た【死ぬなよ】というメッセージはどういう意味だろうか?

 僕に今日一体何が起こるって言うんだ?

 僕がそんな事を考えていると、遠くから初白さんが走って来るのが見えた。


「す、すいません、遅れちゃって……」


「いや、僕は少し早く来すぎただけだよ、時間通りだから安心して」


「は、はい……あ、ありがとうございます」


「じゃあ、さっそく行こうか、目的の公園が電車で20分くらいだからさ」


「結構大きい公園なんですか?」


「うん、まぁね。たまに行くんだけど、休みの日はファミリーとかカップルがいっぱい居るんだよ」


「カ、カップル……」


 初白さんはなぜか、カップルというワードを聞いた瞬間、顔を赤く染めていた。

 まぁ、第三者から見たら僕たちもカップルに見えるかもしれないし、初白さんもそれに気づいて、少し意識しちゃったのかな?


「あ、あの……真木先輩はその公園には毎回一人で行くんですか?」


「いや? たまに平斗と一緒に行くよ」


「っち……またあの人は………」


「え? 何か言った?」


「なんでもないです! じゃあ、さっそく行きますか!」


 なんか一瞬初白さんが舌打ちした気がしたけど気のせいだろうか?

 僕たちは改札を通って、駅のホームに向かい、電車を待っていた。


「初白さんの私服姿なんてなんだか新鮮だね、似合ってるよ」


「ほ、本当ですか!? あ、ありがとうございます……」


 やっぱり女の子だな、オシャレには気を使いつつも動きやすい服装で来ている。

 若干だけど、化粧もしてるのかな?

 なんだかいつもよりも初白さんが少し大人っぽく見えた。

 話をしている間に電車がやってきた。

 僕たちは電車に乗って、目的の駅に向かう。


「真木先輩ってどんな写真を撮るんですか?」


「まぁ、風景写真が主かな? 人物の写真とかはあんまり撮らないんだ」


「へぇ~、でも意外でした、先輩が写真を撮るのが趣味なんて」


「あんまり趣味の事は他の人には話さないからね……平斗以外には話したことが無かったんだ」


「じゃ、じゃぁ……なんで私には話してくれたんですか?」


「それは初白さんと仲良くなりたかったからかな?」


「ふぇ!?」


 僕がそう言うと、彼女はまたしても顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 あれ?

 僕何か変な事を言ったかな?

 

「あ、あの……その……仲良くなりたいって言うのはその……どういう意味ですか?」


「え?」


 顔を真っ赤にしたまま、彼女は僕に向かってそんな事を尋ねて来る。

 どういう意味と言われても……そのままの意味なんだけどなぁ……。


「いや、そのままの意味だよ。平斗と仲が良いみたいだし、僕も初白さんと仲良くしたいなって思ってさ」


「あ、あぁ……な、なるほどぉ……そ、そうですよねぇ……」


 僕がそう言うと彼女は寂しそうな表情で僕にそう言った。

 喜んだり悲しんだり、一体今日の初白さんはどうしたのだろうか?


「うん、だから初白さんも僕にも平斗見たいな感じで接してくれて良いよ」


「え? 島並先輩みたいにですか?」


「うん、敬語とかじゃなくても全然良いよ、僕は気にしないから」


「で、でも……急には直せませんよ」


「少しづつで大丈夫だよ」


 少しづつ彼女と距離を詰めて行こう。

 そうすれば彼女の本性も少しづつわかって来るはずだ。

 初白さんとそんな話をしている間に、僕たちは目的の駅に到着した。

 到着した駅からバスで10分ほどの場所に目的の公園がある。

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