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 大島と別れ、俺は自分の家に帰宅した。

 いつも通り道場では父さんがみんなに武術を教えていた。

 今日は手伝いは大丈夫だと言われたので、俺は自分の部屋にむかった。


「さてと……今日も疲れたな……」


 鞄を置き、俺は今日出た数学の課題をしようと鞄から数学の教科書を取り出す。

 すると、ポケットに入れていたスマホが震えた。 

 取り出して画面を見ると、高弥からメッセージが来ていた。


【明日は本当にダメかい?】


 明日は確か、高弥が初白と写真を撮りに行く日だな……。

 初白も頑張ってたし、邪魔をするわけにも行かないし。

 

【明日はどうしてもダメだ、道場の手伝いがある】


 これで良し。

 あとは初白の頑張り次第だな……てか、あいつ自分のクラスでの立場大丈夫なのか?

 俺はあの初白の痣が気になっていた。

 まさか暴力とか受けてる訳じゃないよな?

 でも、あの一年女子ならあり得るかもしれないが……。


「はぁ……何を俺は心配してるんだ……あいつの心配をしても仕方ないだろうが……」


 生意気でムカつく後輩がどんな目に遭おうと俺には関係ない。

 それに俺が気にかけなくても高弥が気に掛けるだろうし……。

 俺は自分の事だけ考えて生きていればそれでいい。

 そんなことを考えながら、俺は数学の課題を解き始める。

 すると今度は初白からメッセージがきた。


「今度は初白かよ……」


 俺はスマホを操作し初白から来たメッセージを確認する。


【明日って先輩来ませんよね? 絶対きませんよね?】


 こいつはどんだけ俺に来て欲しくなんだよ……まぁ、俺も行きたくはないが。


【頼まれたって行かねー】


 俺はそう初白に返信を打ち、数学の課題に戻った。

 まぁ、初白も頑張ってたし、高弥も初白が気になってるようだし、二人が上手くいくと

俺としては面倒じゃなくて良いのだが。

 そんな事を考えていると、初白から返信が帰ってきた。


【わかりました! 明日は頑張ります! 先輩は一人で寂しく家に引きこもっててください!】


 こいつはメッセージアプリでもムカつくな、アプリ内で位は可愛い後輩で居てくれよ……。

 俺はそのままスマホを机に置き、課題を再開する。

 すると、平斗の部屋のドアを誰かが二回叩いた。


「はい?」


「平斗、少し良いか?」


「あぁ、父さん、どうかした?」


「明日なんだけど、少し道場を手伝ってくれないか? 明日は休みだし、結構人が来ると思うんだ」


「そんなことなら全然大丈夫だよ、何時から?」


「平斗は九時頃道場に顔を出してくれ、新しい門下生も来るから、その子たちの面倒を見て欲しいんだ」


「また増えるの? うちも随分門下生が増えたね」


「いやぁ~いやらしい話、儲かってるよ」


「本当にいやらしい話だな……でも竹内さんも明日は居るのになんで? 俺なんかより人に教えるのはあの人の方が上手なのに」


「竹内君は異種武道大会に出場するための練習で忙しいからな」


「毎回思うんだけど、その大会って毎年開催する意味ある?」


「まぁ、優勝賞金も出るからね、30万円だけど」


「毎回結構な額が出るよね、スポンサーも結構いるし」


「まぁ、そういうことだから頼むよ」


「うん」


 父さんはそういうと、俺の部屋を後にしていった。

 新しい門下生か……大丈夫かな俺?

 自分でもいうのもなんだけど、俺って結構人見知りするしな……。

 まぁ、教えるっていう名目だし、大丈夫だろ。


「まさか本当に道場の手つだいをすることになるとは……」


 嘘で言ったつもりだったのが、まさか本当に道場の手伝いをすることになるとは……。

 まぁ、暇だからいいけど。


「初白みたいな奴じゃなきゃいいけど」


 門下生まであんな生意気な奴だったら、俺はいい加減キレかねない。

 まぁ、あんなムカつくやつもそうそういないだろうしな……。

 てか、あのアホは明日大丈夫なんだろうな?

 高弥も弁当食って死ななきゃいいけど……。

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