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* 


 翌日の放課後も俺は初白と家庭科室で料理の特訓をしていた。

 美味いかどうかは別として、味は普通になってきたと思う。

 まぁ、特訓と言っても俺は初白がレシピ通りに料理を作っているかを見張っているだけなのだが……。

 まぁ、あいつは変に自分で料理をアレンジするから、変な味付けになるんだろうし。

 普通に作っておけば、食える物ができるだろう。


「ん、まぁ良い感じじゃないか、卵焼きは最後までスクランブルエッグだったが」


「何言ってるんですか? 最初から私はスクランブルエッグを作ってたんですよ?」


「嘘つくな……」


 全く……こっちは初白の作った飯のせいで腹がパンパンだっていうのに……。


「これで、明日は大丈夫ですかね!」


「お前が朝寝坊しなければ大丈夫だろうよ……」


 ま、二日だけだがこいつも頑張ったし大丈夫だろ。

 万が一弁当がまずかったとしても、高弥は正直にまずいなんて言うやつじゃないからな、どっちに転んでも大丈夫だろう。

 高弥には少し気の毒だが、初白の絆創膏だらけの指を見たら何も言わないだろう。

 

「ん……お前……」


「はい? なんですか?」


「その手……」


「あぁ、絆創膏ですか? 実は昨日も家で練習を……」


「いや、そうじゃない」


「え?」


「その腕……なんか痣になってないか?」


「あ……これは……」


 俺は初白の二の腕辺りが青くなっていることに気が付いた。

 料理で付きそう痣ではない。

 一体どうしたのだろうか?


「こ、これはあの……転んだんです」


「……転んでこんなのなるかよ、どうしたんだ?」


「ほ、本当に転んだだけですよ! てか、先輩どれだけ私の二の腕見てたんですか! 二の腕フェチですか!」


 明らかに誤魔化している初白。

 俺はそんな初白を見た瞬間、この前の一年生たちの会話を思い出した。

 まさか、そいつらが?


「……気をつけろよ」


 俺はそれ以上何も聞かなかった。

 隠しているからには、初白にも何か隠したい理由があるのだろうし、あまり深く聞くのも余計なお世話な気がした。

 

「そうですね、先輩みたいな二の腕フェチは危険ですもんね!」


「だからちげーって言ってんだろ」


 こっちは心配してやってるっていうのに……。

 ん?

 俺はなんでこのアホを心配してるんだ?

 別に俺がこいつを心配する理由なってないはずだが?

 まぁ、親友が気になってる子だからなのかもしれないが……。


「じゃあ、そろそろ帰りますか!」


「そうだな、お前が失敗作を量産するせいで、俺は体重が増えた気がする」


「デブは嫌われますよぉ~」


「誰のせいだと思ってんだよ」


 俺はそう言いながら帰り支度を整える。

 すると家庭科室のドアに人の影があることに気が付いた。

 一体誰だろうか?

 俺がそんなことを考えていると、初白が俺に言った。


「じゃあ、先輩! 私は明日早いのでこれで!」


「あぁ、寝坊するんじゃねーぞー」


 初白はそう言いながら、人影が見えたドアとは反対のドアから帰って言った。

 残った俺は人影の見えたドアの方に向かい、ドアを開ける。


「おい、何やってんだ?」


「げっ! バレた……」


「バレバレだっつの……」


 そこにいたのは一年の大島だった。

 どうやら、俺と初白がここで何をしていたのか、気になって覗いている様子だった。

 

「今日はお友達は居ないのか?」


「な、なんでも良いだろうが!」


「あ、スマホ初白に返してくれてサンキューな」


「あ、別に全然……じゃなくて! なんでお前と初白さんが家庭科室で仲良く料理なんてしてんだよ!! 初白さんには近づくな!」


「こっちもいろいろあるんだよ……親友の命の問題とか……」


「それと料理に何の関係があるんだよ……」


「まぁ、こっちの話だ。それよりお前に少し聞きたいことがある」


「な、なんだよ……」


「まぁ、こんなところじゃななんだ、一緒に帰りながら話そうぜ」

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