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「協力してくれるって言ったじゃないですか!」
「無謀な策に協力するとは言ってない」
「無謀ってなんですか! 確かに今日明日で料理がうまくはならないかもですけど……」
「いや、お前が料理出来るなんて思ってない」
「どういう意味ですか!!」
結局俺は初白に協力することになってしまった。
放課後、俺は高弥に用事があると言い、教室で別れた。
いつもは何の用事か聞いてくる高弥なのだが、今回はなぜか何も聞いてこなかった。
まぁ、変に突っ込まれるよりは楽だけど……。
家庭科室に到着すると、そこにはエプロン姿の初白がいた。
「あ、先輩遅いですよ! 何やってたんですか!」
「普通に授業受けて来たんだよ。はぁ……なんで俺がこんな目に……」
「材料はすでに用意してあります、先輩は私の料理を食べておいしいかどうか判断してください!」
「それなら学校じゃなくても良いんじゃ……」
「細かいことは気にしないでください! さて始めますよ! 先輩も手伝ってください!」
「結局俺も手伝うのね……」
俺は初白を手伝いながら、お弁当の定番である卵焼きを作り始める。
俺は初白の使った道具を洗ったり、ごみを捨てたりと裏方をしていた。
そして、作り始めて数分後。
「出来ました! さぁ、女子高生の作った手作りですよ! 特別に先輩に味見させてあげます!」
「……先に聞いて良いか」
「なんでしょうか?」
「お前が作ったのは卵焼きだよな?」
「何を言ってるんですか? 見た通りですよ?」
「それじゃあ俺の目がおかしいのか? それとお前の目がおかしいのか? 俺にはスクランブルエッグにしか見えないんだが」
「……か、形はあれですけど! 味は確かですから!」
「………」
「なんですかその目は!」
「いや……別に………いただきます」
「もう! 卵焼きなんて形以外は失敗する要因がないでしょ!」
自信満々にそういう初白。
俺は皿に盛りつけられた卵焼き?を口の中に入れる。
「しょっぱ! え、なにこれ!? ほぼ塩!!」
「分量を間違えたかしら?」
「失敗してんじゃねーかよ! てか、水!!」
俺は水を一気に飲み干し、卵焼き?を流し込む。
「おまえさぁ……塩入れるのは良いと思うけど、どんだけ入れたの……」
「えっと……大さじいっぱいって書いてあったから、いっぱい入れました」
「それ、一杯な! いっぱい入れるわけじゃねぇから!!」
やっぱりこいつに料理なんて無理だったか……。
これでよく弁当作って行くなんて言えたな。
「はぁ……お前見栄を張るにしてももっと考えて見栄を張れ」
「うぅ……だって……」
「はぁ……手本を見せてやる」
「え!? 先輩作れるんですか?」
「お前よりは上手いと思うぞ」
「いやいや、先輩みたいな不愛想な人が料理なんてできるわけないじゃないですかぁ~」
「不愛想関係ないだろうが! 良いから見てろ!」
俺は卵を割り、初白の前で卵焼きを作って見せた。
「ほらよ、厚焼き玉子」
「う、嘘だ……私が先輩ごときに負けるなんて……」
「お前喧嘩売ってんのか?」
俺は自分で作った卵焼きを初白の目の前に出す。
初白は驚きと絶望の入り混じった表情で卵焼きを見た後、卵焼きを一つ口の中に入れた。
「しかも……美味しい……ぐすん……」
「なんで泣くんだよ」
「まさか先輩ごときに負けるなんて……」
「なんで俺、こいつに協力してんだろ?」
「うぅ……でも、もぐもぐ…おいしい…もぐもぐ」
「お前もこれくらい作れるようにならないと、弁当作って持っていくなんて無理だぞ」
「うぅ……道のりが遠い……」
「はぁ……どうするんだ? 正直に言って、土曜日は二人でコンビニ弁当でも買っていくか?」
「それは嫌です! ムードが無いです!」
「じゃあ、どうするんだよ」
「頑張って、なんとかします! 大丈夫です、私には先輩がいます!」
「一体何十時間掛かるんだか……はぁ……」
「いいじゃないですかぁ~可愛い女子高生とお料理出来るんですよぉ~」
「その可愛い女子高生ってどこにいるの? 見当たらないんだけど?」
「ぶっ殺しますよ?」




