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「その薬……一体どこで」


「なんだ、お前らも見た事があるのか? あぁ、そう言えば他の組の若いのに試作品を渡したって言ってたけど、まさかガキに出回ってるとはなぁ」


 こいつらがあの薬を?

 そうとなれば、なおの事黙って帰る訳にはいかない。


「おいアンタ、なんでそんな薬を持ってる? 答えろ」


「答えてやっても良いが……まずは死なないように気をつけなっ!」


「なっ……」


「平斗!!」


 佐久間が多い終えた瞬間、俺の腹に今までとは比べ物にならない程の重たい衝撃が走った。

 一瞬気を失い掛けた。

 俺は和室の襖をぶち破っって隣の部屋まで飛ばされた。


「がはっ! げっほ! げっほ!」


 なんてパワーだ、肺が潰されるかと思った。

 俺は呼吸を整え直ぐに立ち上がる。

 何度もあの攻撃を受けるのはヤバイ。

 気を抜くと一瞬でやられる。


「高弥! 気をつけろ! あいつの攻撃を受けたら防げない!」


 呼吸を整え俺は声を上げて高弥にそう言う。

 俺よりもスピードのある高弥だ、そう簡単に佐久間の攻撃に捕まるとは思えない。

 しかし、そんな俺の予想は簡単に裏切られた。


「がっ……」


「おいおい、遅くなったか? ガキ」


「高弥!!」


 今度は高弥が中庭の方に飛ばされてしまった。

 さっきまでとはスピードもパワーも桁違いに上がっている。

 あの薬、やはり弓島が使っていたのと同じ……。


「おいおい、さっきまでの威勢はどうしたよガキ」


「っち……まさか薬物を使って来るとはな……そんな危ない奴らと関わってまで、アンタは高柳家に復讐したいのか! 柳健三!」


 薬をみただけで分かる。

 ヤクザの中でも柳が関わっているのは相当ヤバイヤクザだ。

 柳家は腐っても高柳家の分家だ、地位も名誉も捨てることになりかねないのに柳健三はそれでも復讐を選んだ。


「子供に何が分かる。ここまで来たという事は私とあの高柳の当主との話しも知っているのだろう?」


「あぁ、知ってる。というか全部聞いた……」


「そうか、それを聞いて君はどう思った?」


 柳は淡々と俺にそう質問してきた。

 柳健三は高柳家の当主の元妻であった自分の妹を見殺しにされ、高柳家に復讐しようとしている。

 直る見込みもあると言われていたのにも関わらず、高柳家の当主は妻を助けなかった。

 そのことを柳はずっと恨んでいる。

 

「正直、気持ちも分かる。でもなんでこんな方法を取った? それに光音は関係ないだろ!」


「あの子は妹の子だ、あの男の元に居るのはふさわしくない」


「だからって誘拐しようとしたのか! あの子の意思はどうなる!!」


「妹もそれを望んでいる。あの子が理解するのは時間が掛かるかもしれないが、ゆっくり理解して貰えば良い」


「嫌がるあの子を無理やりか……」


 この男は自分の事しか考えて居ない。

 だからきっとこの話の本当の事実をこの男は知らない。


「アンタ、高柳家の当主と少しは話しをしたのか?」


「なぜそんな意味のない事を? どうせ言い訳しかしてこない」


「……そうか……じゃぁ、本当の事を知らないんだな」


「何?」


 俺はここに来る前、その話しの真相を高柳家の当主から聞いてきた。

 なぜ見捨てる選択をしたのか。

 そして、その理由をなぜこの柳健三に黙っているのかを……。

 

「何を知った風に……適当な事を言うな、佐久間さっさとかたずけろ」


「へいへい、分かってますよ!」


「くっ!」


「おら! さっさと死ねよ!」


 再び佐久間の攻撃が始まった。

 佐久間は先ほどよりも遥かに早いスピードで俺の身体を捕らえようとする。

 しかし、俺もただ毎日鍛錬していたわけじゃない。

 清浄女学院での一件から俺は自分で俺は自分の力の無さを知った。

 努力して今度は負けないように鍛錬をした。

 だから……。


「おらぁっ!」


「くっ!! こ、こいつまだこんな力を!?」


 こんな所で躓く訳にはいかない。


「来いよ、薬中」



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