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「ん? あぁ、高弥か平斗に用事か?」


「お久しぶりです竹内さん、平斗はどこに?」


「あぁ、今頃シャワーを浴びてると思うぞ」


「ありがとうございます。それじゃぁ行ってみます」


 道場に行くと、そこにはシャワーを浴びさっぱりした様子の竹内さんが居た。

 平斗の兄弟子で相当な実力者だ。

 前に一度だけ平斗との組手を見た事があるが、次元が違うと肌で感じた。

 敵に回したくない相手でもある。


「お? なんだ高弥、お前彼女出来たのか?」


「え? いや、違いますよ」


 竹内さんが僕の後ろの初白さんを見てそう言う。

 そう言えば竹内さんは初白さんを見た事がないのか。


「こんにちは、初白蓮花です」


「おう、竹内慎太郎だ。彼女じゃねぇってことは友達か? 君も平斗に用事か?」


「あ、はいそうなんです。実は何回か家には来たことあったんですけど、道場の方には来た事なくて」


「あぁ、そうなのか。あ、平斗に会ったら言っておいてくれないか? ゆっくり休めって」


「え?」


「じゃあ、俺はバイトだから」


「はい、また今度是非手合わせでも」


「お、もちろん構わないぜ、平斗と二人でまたかかってこい」


 そう言って竹内さんは道場を後にしていった。

 昔、平斗と一緒に僕はあの人に挑んだことがあった。

 二対一であそこまで遊ばれたのは初めてだった。

 腕には自信があった。

 なのに、二対一でも歯が立たなかった。

 化け物、平斗がそう言っていた意味がその時分かった。


「さて、それじゃぁ行こうか」


「はい、あの人って真木先輩と島並先輩の道場の先輩ですか?」


「まぁ、そんなところだね」


「へー……やっぱり強いんですか?」


「あぁ、強いさ……比べ物にならないくらいね」


「へぇ~それって島並先輩よりもですか?」


「それは平斗本人に聞いてみるのが早いと思うよ」


 僕はそう言いながら、初白さんと一緒にシャワールームまでやって来た。

 シャワーを浴びているかもという事だったが、男子用のシャワールームからは人の気配を感じない。


「平斗?」


 ノックをしてシャワールームに入るが、そこには誰も居ない。

 

「居ない……どこか行ったのか?」


「まだ道場の方に居るとかですかね?」


「そうかもしれないね、道場の方に行って見よう」


 初白さんとそんな話をしていると、誰かが僕たちの方にやって来た。

 

「ん? なんだ、高弥に初白じゃねぇか」


 やって来たのは平斗だった。

 道着姿で汗をかいている。

 恐らく直前まで稽古をしていたのだろう。


「どうしたんだよ」


「やぁ、ちょっと用があってね」


「初白は?」


「私は暇だったので」


「あっそ。あ、あんまり俺に近づくなよ、かなり汗かいてくせぇから」


「随分頑張って稽古してるみたいだね」


「先輩早くシャワー浴びて来てください、そして私にご飯奢ってください」


「相変わらずお前は図々しいな初白」


 平斗はそう言いながら、シャワールームに入っていく。


「じゃぁ、浴びながら僕の話を聞いてくれるかい?」


「あぁ、良いぞ。初白、そう言えば城崎さんも来てるぞ、もしかしたらまだ居るかもしれねぇから、会ってきたらどうだ?」


「え? 本当ですか? じゃぁ行ってこようかな~」


 初白さんはそう言って道場の方に歩いて行った。

 僕と平斗は男子用のシャワー室に入り、話を始めた。


「平斗、相手の正体がわかったかもしれない」


「早いな、俺はまだ全然準備なんて出来てねぇぞ」


「あぁ、でもさっき襲われた、恐らく相手も僕が色々調べている事に気が付いている。もしかしたら平斗も襲われるかもと思ってね」


「襲われた? どんな奴らだ?」


「最初は金で雇われたチンピラ、その後はヤクザの下っ端だった。正直そいつらからはあんまり有益な情報は得られなかったよ」

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