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 しかし、今日一日城先さんとどう向き合えば良いものか……。

 普通に話すのだって厳しいし、ここは少し距離を置いたほうがいいのか?

 それともいつもどおりの方が良いのか?

 うーむ……わからん。


「何か悩んでる?」


「ん? あぁいや……別に対してことじゃねぇよ」


 俺の顔を見て光音がそんなことを訪ねてくる。

 顔に出ていたのだろう、気をつけないと誰かに感づかれてしまいそうだ。

 やはりいつもどおりに接するのが一番だな。

 変に気を使ってもかえって気まずいだけだし。

 俺がそんなことを考えながら食事をしていると、リビングを開けて誰かが入ってきた。

 

「あ……」


「あ……」


 リビングに入ってきたのは城崎さんだった。

 リビングに入り俺を発見した途端、彼女は顔を赤らめもじもじしはじめてしまった。

 

「あ、あの……おはようございます」


「う、うん……おはよう」


 やっぱり少しぎこちないな。

 まぁ、昨日の今日だし仕方ないか。


「あら? お二人ともどうしたんですか? まるで告白した日の翌日みたいな空気になってますよ?」


「は、はぁ!? な、何を急にそんな訳ないでしょ!!」


 山ノ内さんの言葉に俺は驚き焦ってそんな言い訳をしてしまう。

 てか、まじでこの人なんなんだ、まさかエスパー!?

 そんなことを考えながら俺は平静を装う。


「何を焦っておられるのですか? 冗談ですよ」


「べ、別に焦ってませんけど……」


「そうですよね。城崎さま食後のコーヒーなどはいかがですか?」


「それではどうぞ島並様の正面の席でお待ちください、只今準備いたします」


「は、はい……」


 え?

 何、目の前に来るの!?

 こわっ!

 やばい何を話せば良いんだ!?

 全然話題が浮かんでこない……。

 それどころか城崎さんの顔もまともに見れないぞ!!


「………」


「………」


「……二人とも静か」


「「え!?」」


 そ、そうだった。

 この場には光音も居たんだった。

 城崎さんのことで頭がいっぱいで存在を忘れていた。


「い、いやぁ〜俺はまだ寝ぼけてるみたいでなぁ〜」


「わ、私も島並さんが眠そうだったので気を使ったんですよ!!」


「そ、そうか城崎さんありがとう!!」


「ど…どいたしまして!?」


 やばい、自分で言ってても意味不明な会話だぞ!

 これじゃぁ、光音には俺たち二人の様子がおかしいことがバレ……。


「そっか……」


 いや、なんかこいつ納得した顔してるな。

 まぁ表情の少ない奴だから良くはわからないけど。

 でもまぁなんとかなりそうだ。


「と、ところで光音、この島ってどれくらいの広さがあるんだ?」


 話題をすり替えよう、でないとボロを出してしまいそうだ。

 

「ん……確か東京ドーム12個分くらい」


「それって……広いのか?」


「さぁ?」


 やばい、こんな時に会話の相手が聞き専の光音だなんて!!

 俺が話題を振らない限り、こいつは自分から話すことはあんまないし……えっと……次の話題は……あぁ! なんでこんなときに限って事情を知ってる高弥は居ないんだよ!!


「あ、あの光音さん! そういえば光音さんの家のメイドさんや執事さんって何人くらい居るんですか?」


「うーん……30人は居る」


「そ、そんなに居るんですね! お金持ちって話は学校で聞いていましたけど、本当にすごいんですね!」


「ん……そういえば貴方後輩」


「は、はい! 私は一年なのであまり面識はありませんでしたけど、私は光音さんのこと知ってましたけど」


「そう……なんで知ってたの?」


「学校じゃ有名ですよ? お金持ちで美人なうちの学校一の美少女だって」


 へぇ……そうなんだ。

 でも、城崎さんも俺は可愛いと思うけど……って!

 俺は何を考えてるんだ!?

 あれか?

 告白されて変に意識してるのか!?

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