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 船に乗って約四時間ほどで俺達の乗った船は無人島にやってきた。

 この無人島は高柳家の所有している島らしく、島には大きな別荘が一軒だけ建っていた。


「すげーな」


「久しぶりにきた……」


「光音がどんだけ金持ちの家の娘なのかわかったわ」


 今まであんまりピンと来てなかったけど、別荘と個人所有の島なんか見せられたらかなりの金持ちというのが良くわかる。

 

「高柳家は日本有数の財閥です。島の一つや二つ持ってますよ」


「山ノ内さん随分つやつやしてますね」


「エステ最高だった……」


「山ノ内さんも仕事と言いつつ楽しそうですね」


「何を言っているんですか? 仕事に来ているんですよ、肩が凝って大変です」


 山ノ内さんはそう言いながら、自分が持ってきた大量の荷物を持って船を降りていく。


「肩が凝るのはその荷物のせいでは……」


 俺はそんな話をしながら山ノ内さんに続いて船を降りる。


「お嬢様の様子はどうですか?」


「あぁ、もう初白や城崎と仲良くなったみたいで、見ての通り俺はお役御免みたいです」


「そうですか、しかしなるべくお嬢様の傍にいて下さいますか? この前の学校の件もありますので」


「流石に無人島まではこないでしょ」


「いえ、黒幕がまだ捕まっていない以上、警戒するに越したことはありません。島にもボディーガードが数人入る予定です」


「それで船の中に黒服の怪しい人達が居たんですね」


 なんでこの人たちだけスーツなのだろうと思ったけど、そう言うことか……。

 

「まぁ、竹内君が来てくれれば本当に万全だったんですけど」


「……そうですね」


 確かに、俺とボディーガードの人たちだけでは対応できない可能性がある。 

 俺は自分の非力さを痛感しながら、竹内さんという存在のデカさを実感した。


「まぁ、そうは言いましたが、今日は貴方もお客様です。存分に島をお楽しみください」


「それはどうも」


 山ノ内さんにそう言われた後、俺は先に下りていたみんなと合流した。

 別荘に移動し男子と女子に分かれて宿泊する部屋を紹介され、俺達はさっそく海に行くことになった。


「まさか、四人同室とはな……」


「良いじゃないか、修学旅行みたいで」


「俺は出来れば一人部屋か二人部屋が良かったよ」


 だって……。


「兄貴! 何かあったら俺に行ってくださいっす!」


「し、島並さん……お、俺にもな……何なりと……」


 この弟分二人と同じ部屋というのはなんだか疲れそうだからな……。

 てか、悟の奴よほど映画が精神的に来たのかもう既になんかグロッキーだぞ。


「何もしなくて良いから静かにしててくれ、それに旅行に来てんだぞ? お前らはお前らで楽しめ」


「で、でも俺達は弟分ですし……」


「じゃぁ兄貴からの命令だ、旅行中は変な気を付かなう以上」


「そ、そんな……じゃ、じゃぁ俺は何をすればいいんですか!!」


「普通に旅行を楽しめよ……」


 大島にそう言った後、俺は服を脱いで水着に着替え始めた。

 

「楽しみだね、女の子達の水着姿」


「意外だな、高弥もそう言うのは気になるんだな」


「僕も男だからね」


「まぁ、確かに気持ちはわかるぞ」


「へぇ~ちなみに誰の水着が一番気になる?」


「え? あぁ……」


 誰の水着か……茜さんの水着は俺が選んでるし、城崎さんとかか?

 でもそこまで気になるって程でもねぇしな……やっぱりあのアホがどんな水着を着てくるのかが一番気になるかな?


「初白かな? あのアホは一体どんな水着を着るんだか」


「へぇ~初白さんなんだ……」


「なんだよ、ニコニコして」


「別に、なんでもないよ。平斗もなかなかむっつりスケベだなと思って」


「その言葉お前にそのまま返すよ」


 そんな話をしながら、俺たちは男性陣は着替えを終えて別荘の目の前にあるビーチに移動し始めた。

 


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