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 車で船着き場に向かい、俺達は船を使って無人島に向かうことになった。


「え? 光音に俺が?」


「はい、付いていて下さいませんか?」


 まぁ、確かに光音からしたら知らない奴ばっかりだろうしな……。

 唯一の知り合いの俺が傍にいた方が良いか。


「私は一応仕事で来ていますので、いろいろとしなくてはいけないことも多くて」


「なるほど……そんなデッカイサングラス掛けて、自撮りしながら言われても説得力皆無ですけどね」


「とにかくお願いします、竹内君が来ない分、貴方には役に立ってもらいます」


「まだ根に持ってるよ……しかも悪いの竹内さんなのに……」


 船を待つ間、俺は山ノ内さんにそう頼まれ、俺はこの旅行中光音の傍にいることになった。

 まぁ、その方がいろいろ都合がいいな、みんなに光音を紹介できるし、それに面倒な事を吹き込まれずに済む。

 あの朝の城崎さんの言葉から、約二名面倒なのが居るしな……。


「よぉ、どうだ大勢で旅行ってのは?」


「まだわからない」


 俺はさっそく光音の座っているベンチの隣に座った。

 

「まぁ、そうだよな……知らない奴ばっかりで不安だろ? 旅行中はこいつらと打ち解けるまで、俺が一緒に居てやるから」


「………ありがと」


 光音はそう言うと、俺の服の端を掴んできた。

 まぁ、半分引きこもりみたいな生活だったし、いろいろ不安だろう。


「変態……」


「あぁ?」


 俺が光音と話をしていると、物陰から初白と茜さんが俺をジト目で見ながら何やらこそこそやっていた。

 出たよ……面倒なのが二人……。


「なんだよ初白、あれは誤解だって言ったろ?」


「本当ですかねぇ~瑠華ちゃん優しいから先輩を庇ったかも~」


「あぁ~嫌だ嫌だ、男はこれだからねぇ~」


「はぁ……マジで面倒だな……」


 俺が初白と茜さんにそんなことを言っていると、隣の光音が俺に尋ねてくる。


「誰?」


「あぁ、えっと……あの俺に今失礼な事言ったのが後輩の初白で、その隣で俺を睨んでるのが茜さん、茜さんは俺より一個年上なんだ」


「どういう関係?」


「え? 関係? えっと……初白は学校の後輩、茜さんは道場の門下生って感じか?」


「………なるほど」


 わかったのだろうか?

 まぁでもこの二人との関係を一から話せと言われる方が大変だ。

 

「えっと……確か高柳さんでしたっけ? 初めまして、先輩の可愛い後輩の初白蓮花です」


「可愛い後輩? クソ生意気の間違いだろ?」


「可愛いじゃないですか! 夏休みに明後日旅行に行かないか? なんていう急用にも対応しちゃうちょー良い子じゃないですか!!」


「良い子はそんなこといわねーっつの」


「私は茜、敷山茜しきやま あかねよ。よろしくね」


「高柳光音……よろしく」


「気を付けないさい光音ちゃん! こいつ狼だから、隙を見せると襲われるわよ!!」


「誤解を招くようなことを言わんでください!」


「何よ! 私の着替えも覗いたくせに!!」


「だから、あれも事故だと!!」


「……覗き魔」


「違うよ!?」


 二人のせいで光音にまで変な誤解をされてしまう。

 まぁ、覗いたのは本当の事なんだけどさ……。


「光音さん、色白で美人ですねぇ~。なんで先輩の近くには美人ばかり集まるのか……」


「そうだな、お前以外は美人かもな」


「あぁ、そうですね。私は美少女ですからね。キレイ系じゃなくて可愛い系ですもんね」


「どんな捉え方をしてんだよ」


「にしても、この子も瑠華ちゃんと同じ、清浄の子なんだろ? やっぱりお嬢様学校の生徒って、みんな可愛いのかな?」


「……そ、そんなことない……」


「いやいや、肌綺麗すぎるでしょ……一体どんなケアを……」


「え? 茜さんもそう言うの気にするんですか?」


「よし平斗、あっちに着いたらスイカ割りしような、お前がスイカで」


「ご、ごめんなさい……」


 あぁ、これマジで怒ってる。

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