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 いつも通り初白はうざい。

 というか、このメンバーで無人島に行くとか不安しか感じないなぁ……まともな奴が一人もいないぞ。


「なんだかんだ言っても平斗って結構知り合い多いよね?」


「そうか? まぁ、家が道場だからな」


「それだけが理由じゃないと思うけど……あ、そう言えばまた事件に巻き込まれたんだろ?」


「なんで知ってるんだよ……」


 いろいろ聞かれるのが面倒だから、高弥にはこの前の学校での出来事を黙ってたのに……。

 

「あのねぇ……うちの親父、一応警察なんだけど? 島並なんて名前が事件の捜査資料に上がってくれば、俺にも話が流れてくるよ」


「おいおい、それって機密情報になるんじゃねぇの?」


「細かいことは良いんだよ。全く平斗は無茶しすぎだよ」


「あぁ……そうだな、今後気を付けるよ」


「え?」


「なんだよ」


「いや、いつになく素直だと思って……どうしたんだい? いつもなら適当に返事をするだけなのに……」


「あぁ……ちょっと思うところあってな」


 あの事件で俺は自分の力の無さを実感した。

 今のままでは他人に迷惑をかけてしまうだけだ。

 もっと強くならなくては……そう思ったからこそ、俺は今回の事を自分の中で重く受け止めていた。

 てか、なんで俺無人島に行くことになってんだ?

 竹内さんにどうやったら強くなれるかを聞いて指導してもらおうと思ったのに、いつの間にかこんなことに……。


「はぁ……何してんだろ俺……」


「だ、大丈夫かい? そんな落ち込んで……」


「あぁ、なんか自分が嫌になってな……」


「一体何があったんだい?」


「まぁ、いろいろだよ」


 俺が高弥にそんな話をしていると、今度は城崎さんが俺の元にやってきた。


「おはようございます島並さん」


「おはよう城崎さん」


 考えてみれば、あの時城崎さんの叫び声に気が付かなかったら、この子はどうなっていたかわからないんだよなぁ……。


「城崎さん大丈夫?」


「え? 何がですか?」


「この前の事……トラウマになってない?」


「え? この前……あ! い、いえ……その……ぜ、全然大丈夫ですよ!」


 笑顔でそう答える城崎さん。

 なんていい子なんだ、本当はつらいのに無理をして明るくふるまっているに違いない。


「何か困ったことがあったら言ってくれて良いからね、力になるよ」


 彼女が心に傷を負ってしまったのなら、俺は少しでもその心の傷を癒す手助けをしたい。

 まぁ、俺に出来ることなんて限られているだろうが……。


「そ、そんな大げさですよ……そ、それに私……その……男性がそう言うのに興味があるってしってますし」


「何を言ってるんだ、君は襲われそうだったんだ! 強がらなくていいんだ、泣きたいときは泣いて良いんだよ?」


「え? 襲われる? 先輩私を襲おうとしたんですか?」


「へ? 一体何の話?」


「え? この前先輩が私の下着姿を見た話しじゃ……」


 あれ?

 どうやら話がかみ合っていなかったらしい。

 そして高弥がすごい顔で俺の方を見ている。

 いや、高弥違うんだ、あれは事故なんだ!


「え……平斗……まさか城崎さんを……」


「ま、待て! 高弥落ち着け! 違うんだ!」


「でも下着を見たって……」


「そ、それはあの……ま、まぁ……」


「えぇ………」


「だ、だから違うんだ!」


「そ、そうです! あれはえっと……わ、私もびっくりしただけですから!!」


「城崎さんそれフォローになってないよ!!」


「ま、まぁ僕は良いけど……あの……さっきから初白さんと茜さんがじりじりこっちによってきてるから、その二人の誤解を解いた方が良いんじゃないかな?」


「え?」


 高弥の言葉通り、鬼のような形相の茜さんと困惑した表情の初白が既に俺の直ぐ後ろにおり、すぐにでも俺に掴み掛かってきそうな勢いで言葉をこらえていた。

 あぁ……出発前からでっかい地雷を踏んだなぁ……。


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― 新着の感想 ―
[一言] 地雷踏んだって事は足どければもう爆発しかないって事ですな。 なる程、リア充だから爆発(予定)するってことですね(笑) 頑張れ~
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