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「あ、いやごめん!! は、入ってるなんて思わなくて……その……本当にごめん」


 俺はそう言ってとっさに戸を閉める。

 はぁ……やってしまった。

 俺が維持してきたイメージが……てかなんで城崎さん札掛けてないの!?

 あぁ、でも俺もノックとかしなかったしなぁ……。

 

「あ、あの……」


「は、はい!」


 俺がいろいろと悩んでいると、着替えを終えた城崎さんがシャワー室から出てきた。

 ヤバイ……どうしよう、気まずい……。

 悪意はなかったとはいえ、女の子の下着姿を覗いてしまったわけだし……絶対に軽蔑されたよなぁ……。

 てか、俺この状況で一緒に無人島行かないかとかいうの?

 何それ!?

 今さっき下着姿を覗いてたやつの誘いなんて誰も受けねぇよ!!


「あ、あの……見ました……よね?」


「はい……ま、マジでごめんなさい……」


 年下にここまで申し訳なさを感じたのはこれが初めてかもしれない。

 さて、何を言われるか……とりあえず土下座の準備をしておこう。


「あ、いえあの……札を掛けていなかった私も悪いので……つ、次から気を付けます……」


「え? あ、いや俺もノックしなかったし……ごめん」


「じゃ、じゃぁお互いに悪かったってことであの……わ、忘れていただけるとありがたいです……」


「す、すぐに忘れます……」


「な、なら私も気にしません……あ、あの次シャワー浴びますか?」


 城崎さんはそう言いながら顔を真っ赤に染め下を向いていた。

 まぁ、無理もないだろう。

 下着姿を見られたわけだし。


「あ、いや……城崎さんを探してたんだ」


「え? 私に何か用ですか?」


「あぁ、実はその……」


 俺はあの後で言いづらかったが、無人島に行く話を城崎さんにした。

 

「行きます!!」


「そ、そうか……乗り気でよかった……急な話だから無理はしないでね」


「はい! あ、あの……他には誰が来るんですか?」


「え? あぁ、えっと道場の奴らとあとは初白とか高弥かな? まだ連絡は取ってないけど、多分来ると思う」


「そ、そうですか……その……島並さんと高柳さんとはその……仲が良いんですか?」


「え?」


 この前も光音との関係は説明したと思ったんだけどな……。

 まぁ、自分の学校の有名な先輩のことだし、気になるのもわかるけど。


「あぁ、あいつ毎日一人で部屋に居るから友達いなくてさ……なんか放っておけないっていうか……それに悪い奴じゃないし」


「そ、そうですか……へ、部屋で二人で……ふ、ふぅ~ん……そうですか……」


 どうしたんだ?

 なんか城崎さんの顔がさっきとは打って変わって真っ青だぞ?


「まぁ、二人きりってことはそうそうないけどな、大体メイドの山ノ内さんが居たし」


「そ、そうですか……じゃ、じゃぁまだ私の方が……」


「ん? 何か言った?」


「な、なんでもないです! じゃ、じゃぁ私はもう上がりますね!」


「お、おう……」


 城崎さんはそう言うと慌てて更衣室に向かって走っていった。

 途中なんかコケる音がしたけど……何をそんなに慌ててるのだろうか?

 まぁ色々あったが後は高弥と初白に連絡を入れて終わりだな。

 俺は着替えをして自分の部屋に戻り、高弥に電話を掛けた。


「もしもし? 高弥か?」


『どうしたんだい平斗? なんか久しぶりな気がするけど』


「何を言ってんだよ、この前も会っただろが、それよりお前明後日暇か?」


『なんだい急に?』


 俺は高弥に無人島の事を話した。


『それは楽しそうだね、是非参加させてもらうよ』


「そうか、なら後は初白だけだな」


『初白さんに城崎さん、それに茜さんか……楽しい旅行になりそうだね』


「え? あぁ、そうだな……まぁまた明日詳しい内容を教えるから準備しておいてくれ」


『あぁ、わかったよ』


 高弥はそう言うとすぐに電話を切った。

 あとは初白だけだ。

 だが、あいつを誘うかどうかよく考えたら悩みどころだな……あいつ高弥に振られてまだ日が浅いし……。

 聞くだけ聞いてみるか。


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