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 なんでこいつはこんなに失礼なんだ……。

 そんなことを俺が考えていると、初白の番になり、初白がレジで注文し始めた。


「えっと、ポテトとシェイクでお願いします」


 注文は何とも女子らしい、友人と来ていると言っていたが、その友人はどこにいるのだろうか?


「先輩たちは何を注文するんですか?」


「別になんだっていいだろ、さっさと行けよ」


「まだ商品来てないんですもん」


「はぁ……まさかこんなところでもお前と会うなんて……」


「平斗、僕たちの番だよ」


「え? あ、あぁそうか……えっと……」


 俺はレジで店員にポテトとシェイクを注文する。

 高弥はシェイクのみを注文した。


「先輩真似しないでくださいよ」


「俺は元々この組み合わせって決めてたんだよ、商品来たならさっさと行け」


「はいはい、わかりましたよぉ~……ま、真木先輩もそれじゃぁ……」


「うん、ばいばい」


 俺と高弥への態度が全然違うな……。

 まぁ、それは当然だけど。

 俺と高弥は注文した商品を受け取り、窓際の席に座った。


「はぁ……あのバカと関わるとろくなことがないな」


「仲良さそうだったじゃないか。僕、平斗が女の子と仲良く話てるの久しぶりに見たよ」


「まぁ、クラスの女子は俺に話かけられただけですごい顔するからな」


「……あれはひどいよ」


「いいんだよ、仕方ないことだ」


「だからかな……初白さんが普通に平斗に接してるのがうれしい反面、僕は少し怖いとも思うんだ……」


「……まぁ、似たような感じだったしな……中学のあの時も」


「……僕は初白さんはいい子だと思うよ」


「お前が女子をほめるなんて珍しいな」


「そうかな? でも、まぁ……確かにあの子には何かを感じてるのかもしれないね……」


 高弥が女子に対してここまで言うなんて……かなり珍しいな……。

 マジで初白の事が気になってるのか?

 それなら俺は初白の手伝いをした方がいいのか?

 あいつが高弥に見合うかといわれたら、全く見合ってないと答えるが……高弥が好きならお互いの意見を尊重すべきだろうし……。


「初白さんにメッセージ送ってみようかな」


「は!? どうしたお前?」


「なんだよ、そこまでビックリしなくてもいいだろ?」


「いや、お前が女子にメッセージなんて送ったら、送られた奴は他の女子から呪い殺されるぞ……」


「いや、そんなわけないだろ?」


「ただでさえ、あいつがお前の連絡先を知ってるってだけで危険なのに……」


「そ、そうかな?」


「中学の時を忘れたのかよ、お前が事務的連絡のために女子と連絡先交換して、翌日その子がどんな目にあったか……」


「あぁ……あれは確かに可哀想だったね……」


 中学時代、委員会の仕事で高弥はとある女子と連絡先を交換した。

 その結果、その女子は他の女子から嫉妬され、いろいろな嫌がらせを受けていた。

 それを知った高弥はそれ以降、女子と連絡先を交換しなくなった。

 

「あの子……元気かな?」


「まぁ、あの後お前が色々な女子を威嚇して、事が収まったんじゃないか。あの時のお前はカッコ良かったぜ」


「僕は自分でしでかしたことの尻拭いをしただけだよ……」


「それでもちゃんとあの子を守っただけ立派だろ?」


「僕は平斗の方がすごいと思うよ……」


「……すごくなんかねーよ。てか、やめようぜ昔の話なんて」


「そうだね、ごめん」


「いや、いいよ。それよりさっきからお前、俺のポテト食いすぎだろ」


「え? もぐもぐ」


「え? じゃねーよ、もぐもぐしてんじゃねーか」


「ごめん、なんか止まらなくて、もぐもぐ」


「あ! お前こんなに食いやがって! 新しいの買って来いよ!」


「ごめん、ごめん、ポテトって止まらなくなるよね? もぐもぐ」


「止めろ! いいからその手を止めろ!」


 高弥はそんなことを言いながら、俺のポテトの半分を食べていた。

 

「おい! お前食いすぎだろ!」


「悪かったよ、新しいの買ってくるから許してくれよ」


「はぁ……最初から自分の買えよ」


 高弥はそう言って立ち上がり、財布をもってレジに向かった。

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