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6話★ アンディ様のお返事と夜ご飯

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします…!


楽しんでってくださいな!


そして、「新春更新祭り!」1日目!!


よろしくお願いします。

私が言うと、アンディ様は少しポカンとした顔をした。一瞬時間が止まる。少しばかりの沈黙のあと、アンディ様は、思わずと言った風に言葉を漏らす。


「……え?」


そんなに意外だったかな……。

ぱちくりと瞼を瞬かせているアンディ様をじっと見つめる。


「……そんなに不思議でしょうか…?」


「うん、ちょっと驚いた。でも、なぜ学校?」


「半分は私のエゴです。私がしたいから」


前世の私が出来なかったことを、ここでしたいから、夢を叶えたいからっていうのも一つの理由だ。


でも、


「でも、あとの半分は、学びたいって気持ちは誰にも邪魔されちゃいけないと思うからです」


学びたい人は誰でも、等しく学べる場所をつくりたい。


学園に入れなかった人も、学校に何らかの理由でいけない人も、入ったはいいものの行けなくなってしまった人も、貴族でも平民でも……したいことをできる場所を、子どもたちの未来に賭けてあげられるような場所を、つくりたい。


私は、考えたことのすべてを自分ができる精一杯の言葉でアンディ様にぶつけた。緊張と不安で声が震えているけれど、精一杯。私の言葉を真剣な顔つきで聞いていたアンディ様は、私の言葉が終わると、


「なるほど……。素敵な夢だね」


と言い、ふわりと笑った。


「本当ですか……!」


アンディ様の笑顔にこちらの緊張はとけ、自然に笑顔になる。アンディ様は、こくりと頷き、


「うん。それに、領地も国も豊かになるなら、こちらとしても嬉しい。僕は君の夢、応援するよ」


「ありがとうございます!」


私が嬉しくなって、少し頭を下げつつお礼を言うと、アンディ様は柔らかく笑ったまま「いえいえ」と首を横に振る。それから、続けて、


「でも、誰が先生をするの?」


と尋ねた。


「それは、私が…担当したいと思っています。ある程度なら教えられるはずです……」


「それなら、僕も手伝うよ」


アンディ様は、そう言ったあと、僕も少しなら教えられると思う、と続けた。


「ありがとうございます」


アンディ様が一緒にしてくれるなら力強い。


「それと、実現するためには色々なことを決めなくちゃいけないよ。それに、許可も取らなきゃいけない」


許可かぁ。事業として扱われるって事なのかな。


……そんな大層なことできるかな、いや、しないとね。


「そうですよね。許可は具体的には、マーク公爵と国王陛下でしょうか」


「そうだと思う。それから、貴族の会議にもかけられるかも……?まあ、陛下の心を掴めば一発だけれど」


「国王陛下の心をつかむ……」


「うん。それをすればこの国に利益があると思わせなきゃいけないよ。大丈夫……?」


大丈夫……かどうかは分からない……し、強いて言うなら大丈夫じゃない気がするのだけれど、でも、そんなこと言ってられない。


私は、不安要素を振り払うように首を振り、


「何とかなります……いや、何とかします……!」


状況的にはかなり詰んでいるが、言葉だけでもこう言っておくべきだ、言霊とかあるかもだし。


アンディ様は、まあ、この国の国王陛下は比較的民と近くて、話は聞いてもらえるかもしれないから、可能性はなくはないよ、多分、と笑う。


そう言えば、文献にもそんなことが書いてあったっけ、とリリとアンナと馬車で話した記憶を思い出す。


「父上の後ろ盾があったらもっと聞いてもらえると思う」


確かに、マーク公爵は会議においても強い発言権を持つと思うから、味方にしておけば百人力だよね。


「まずは、計画を立てて、それから、マーク公爵の許可を頂き、国王陛下にお伝えするといった感じでしょうか」


「じゃあ、まずは計画かな?」


「そうですね、場所や教え方、それから、国民の皆さんの意見も聞きたいです。勉強したい子がいなければ学校は不要ですから」


あくまでも大切なのは子どもたちの意思だ。無理にするべきじゃない。…個人的には、絶対学ぶべきだとは思うけれど。


「確かにね。あ、あと、場所ならいい所があるよ」


「ほんとですか!?」


私が思わず声を出すと、アンディ様はひとつ頷き、


「うん、実はこの別荘から少し行ったところに小屋があるんだよ」


「え!そうなんですか!」


小屋かぁ。いいかも。

その後、アンディ様は小屋の大きさがこのお屋敷の3分の1くらいであること、管理人さんとは知り合いであることなどを話してくれた。


是非見学に行きたいわ。

私がそ旨を伝えると、アンディ様は、うんと頷いた。それから、


「今日はもう遅いから、また後日行こうか」


その言葉に周りを見るともう夕方だった。16時くらいだろうか。こちらに着いたのが14時半くらいだろうから、そんなものだろう。


流石に貴族の令嬢がこれ以上婚約者意外の男の人といる訳にはいかない。レベッカは気にしないのだが、周りが黙っていないだろう。


そう思い、潔く引き下がる。

本音ならこのまま見学に行きたいけれど。


「ありがとうございます」


その後、日にちは明後日のお昼くらいがいいのではないか、と話がまとまった。アンディ様は、小屋の管理人さんに話を通しておいてくれるそうだ。


それから、明日も計画のために来てくれると言ってくれた。



★★




アンディ様をリリとアンナと共に屋敷のエントランスまで送ってから、広間に戻り、ほっと一息つく。


なんか、色々なことが怒涛のように過ぎていったわね。ほうっと息を吐くとリリが笑いかける。


「お嬢様、大丈夫でございますか?」


「ええ、大丈夫よ。リリもアンナもありがとう」


リリやアンナも今日の功労者だ。

慣れないのに、お茶を用意してくれたり、こうやって気遣ってくれたり、本当にありがたい。


「夜ご飯は少し休んでからになさいますか?」


リリが優しく笑って言った。夜ご飯ねぇ。そうね、少し休んでからがいいかもしれないわね。


「ええ、そうす……」


と、そこまで言って、厳密に言えば返事をしかけて、根本的な問題にたどり着く。


「そう言えば、誰が夜ご飯を……?」


現れた疑問をそのまま言葉にする。だって、この屋敷には料理人さんがいないんですもの。どうするのかしら?いざとなったら、私が作るけれど。前世とは幾分か勝手は違うだろうが、背に腹はかえられないもの。前世ではそんなに料理下手ではなかったはずだし。


そんなことを思っていると、リリと共に並び立っていたアンナがそっと手を挙げる。


「わたくしが担当致しました!」


「アンナが……?」


「はい。わたくしの実家は、貧乏貴族ですので、使用人も少ししかいません。なので、出来ることは自分達ですることになっていたんです」


アンナが苦笑する。それから、アンナはニコッと笑って、だから、腕にはある程度自信がありますよ!と言い切った。


「まあ、そうですの。それは楽しみですわ。では、先に夜ご飯にしてもらえるかしら。折角の料理ですもの」


アンナが料理上手だなんて、初めて知ったわ、これは、もしかして、お菓子を教えてもらうチャンス……などとちゃっかり思ってしまった……がそれはさておき、アンナの料理を食べてみたいわ。


私が言うと、アンナは少し驚いた顔をしてから、ニコッと笑った。


「ありがとうございます」


その後を引き継ぐ形で、リリがテキパキと指示を出す。


「では、料理のことはアンナがよく分かっていると思いますから、それはアンナに任せます。私は、お嬢様をお食事をするお部屋へお連れします。それで、よろしいですか、お嬢様」


ちゃんと私への気遣いも忘れない。本当に出来たメイドだわ……。


「ええ、いいわ。アンナ、楽しみにしているわ、よろしくね」


「任せてください!では、失礼いたします」


アンナはそう、意気揚々と返事をすると、楽しそうに、ともすればスキップでもしそうな程に浮き足立って部屋を後にした。


……大丈夫かしら、おっちょこちょいしないかしら……。


なんて不安になった私がリリの方を向くと、リリも少し呆れたような、少し不安そうな顔を浮かべて立っていた。どうやら考えることは同じらしい。


その後、リリの案内で食事をする部屋、前世で言うダイニングに入って少しすると、ガラガラガラという何かが崩れる音と、キャーっという悲鳴が屋敷内に響き渡った……。




改めまして、あけましておめでとうございます!


本年もよろしくお願いします!


さて!!


予告通りに、「新年一発目!新春更新祭り!」を行います!!


今日を含めて3日間!連日更新します!


つまり、次の更新は!


【12月5日の午前0時】となります!!!


よろしくお願いします!



花川優奈でした!

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