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こたえあわせ1-1
あの夜から アンタはぼくの憧れだった―
今までも これからもそう
でももうわかってる この気持ち―
それだけじゃないこと
「…タ リタ」
気付いたらマリーが部屋の中にいた
「マリー…」
「…何ぼーっとしてんだ」
「物思いにふけってました」
「人ん家おしかけてきてわざわざ?」
ごきげんななめかね
「それで,話って…なんだよ」
マリーの手が震えてる
「……」
―だからこのままじゃいられない
「マリーさ,覚えてる?はじめて会った時のこと…」
「え?」
ぼくのためにも …アンタのためにも
「…律哉 律哉!!」
怖い,助けて,誰か―
「…はい 父さん…」
「もうすぐ客が来る お前は外に出てろ」
ぼくは時計を見た 今は21時31分―
「え でも…」
「さっさと行け!!ほら!!」
父さんは力任せにぼくを引っ張った
「痛…っ」
「朝まで戻るなよ 返事は?」
「はい…」