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第14話 復活のJ

-魔王城・会議室-


「魔王ジェンティル様の復活の儀が完了しました。間もなくこちらにに到着されます」


会議室にいる魔王軍幹部へ伝令係が伝える


「魔王様の復活か・・・お会いするのははじめてだ」


「先代の勇者に倒されたんだろ?俺様が魔王になった方が良いんじゃないか?グハハハハ」


「口を慎め、この部屋に近づいてくる魔力の大きさがわからん訳ではないだろう」


「四天王に選んでもらえるかな・・・」


「今までの歴史の中でも世界が人族にここまで支配されていた事はなかった、殺された同胞や奴隷にされた者たちも多い。魔王様の復活でなんとしても復興せねばな」


魔王が討伐された後、実力のある魔族達が幹部となり、魔王復活まで魔族の指揮を執る。魔王討伐後に生まれたもの、魔王の生前は実力がなかったがその後実力を伸ばしたもの、様々な魔族で形成されている幹部の中から特に力があるものが魔王により四天王に選ばれるという運びである


会議室の大扉が開く


「待たせたな、皆の者よ」


雑談で賑わっていた会議室が静まり返る。魔王の実力に不安を抱いていた者は安心し、疑念を抱いていた者は確信し、下克上を考えていた者は委縮した。それほど魔王ジェンティルの放つオーラは強大なものだった。それはブライ達が討伐した時よりもより強大なものになっていた。


「早速で悪いが、世界の現状を教えてもらえるか?」


「かしこまりました。私、ベルゴと申します。人族の住む街等に潜入している部下の話を交えて、私の口から説明させていただきます」


ベルゴと名乗る魔族の男が魔王に説明する。ラムタ国が現状でほぼ世界を支配している事、ラムタ国内にいた魔族や魔物はほぼ追いやられるか、殺されるか、奴隷や家畜にされている事、勇者カイルが魔王討伐に動き出している事、この500年の歴史と幹部達の紹介を受けたジェンティルはため息をつく。


・・・ここまでくると人族との和解は難しいかもしれんな・・・


魔王は500年毎に起こる争いに終止符を打とうと考えていた。


「まずは皆の者、最後の砦である魔王城を守ってくれた事、礼を言うぞ」


「魔王城では瘴気が我々の力をあげてくれますからね。人族も勇者ブライ以降は誰も城には来ていません」


「そうか、あの勇者はなかなか話が通じそうな奴だったんだがな、他の仲間の血の気が多すぎたな。結果として不覚をとってしまった。今の勇者はどんな奴なんだい?」


「はい、勇者カイルは人族からの信頼は絶大ですが、魔族や魔物には一切の容赦なく、人族からは英雄とよばれています。」


「そうか・・・」


・・・今回も話し合いは無理かな・・・ブライアンが心を開けばあるいは・・・?


「さて、皆の者よ、勇者や人族との事もあるが、今宵は復活の儀を終え私が力を取り戻した、魔王完全深復活の日だ、まずは祝おう」


その夜、瘴気で覆われた暗黒の城では大きな宴が開かれた


-マヤノ教団キュリオ支部-


「ありがとう、皆さんの治療のおかげですごく良くなったよ。山賊に不覚を取るとは情けない。」


重傷でうまく教団内に入り込んだブライは治療されすっかり良くなっていた。


「いえ、すべてはマヤノ様の御意志です。よければ今日、マヤノ様の代弁者の一人、エルム様がお話されますので、聞いていかれませんか?」


・・・トントン拍子に話が進むな、上手くいきすぎて逆に怖いな・・・


「ええ、私もマヤノ様の教えをぜひ聞きたいと思いました。迷惑でなければ聞かせていただきたい。」


「マヤノ様は何者も拒みません。では後程お声かけしますので、ごゆっくり。」


教徒が部屋を出ていき、ドアの外に誰もいない事を確認した。


「はぁー。治ったものの痛かったなー。ミロク、俺が寝ている間怪しまれたりしてないか?」


「だいじょうぶー!ミロクはいい子にしてたよ!」


「そうかそうか、それにしても順調に進んでるなー、本番はこの後だけど・・・」


教団幹部のエルムを倒さなければいけないが、他の幹部に身を隠されたりしない為に、エルムが倒された事を他の幹部に悟られないようにしなければならない、講演中での暗殺等でなく、人目につかない場所でブライとミロクのみで倒す難易度の高い作戦となっていた。


「偉い奴だから護衛もいるだろうし、人目につかない場所にどうやってエルムを呼び出すかなー」


ブライが考え事をしていると部屋のノックが鳴る


「ブライトさん、ミロクちゃん、エルム様の講演がはじまります。大聖堂へご案内いたします。」


「はい!今行きます。行くぞ、ミロク」


・・・ま、なるようになるか、エルムって奴の顔見たり話し聞いたりして作戦を考えよう・・・


入り組んだ教団内を歩き、大聖堂の大きな扉をくぐると大人数の白装束の人々が壇上を見上げていた


「ずいぶん人数多いな」


・・・これなら教徒の服を拝借してもばれないかな・・・?


案内されるままブライとミロクは席に着く。しばらくすると白装束に赤い紙の若い男が壇上にあらわれた。


「マヤノ様の子供たちよ、ごきげんよう私はマヤノ様の代弁者が一人、エルムと申します。」


壇上の男が話はじめ、ブライとミロクは耳を傾けた


・・・強いな・・・こりゃなかなか骨が折れそうだ・・・


エルムの実力にブライは一抹の不安を覚えた。










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