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第12話 冒険者ブライト・ナルガ

-ドムス街冒険ギルド-


「さて、暇だな」


カイノスはギルド内の椅子に腰かけて呟いていた。


ミロクの年齢確認に多少の苦労はあったものの、無事に冒険者資格申請を行い、ブライ、セレス、ミロクの3人は試験へと向かった。カイノスは冒険者資格を持っている為、1人留守番という形となった。


「まぁ、元勇者だし、楽勝だろう」


試験内容はダンジョンでの魔物討伐であるが、現在ラムタ国内、特に都市部や街近辺には魔物はほぼいない為、人口のダンジョンが作られ、ダンジョン内に倒されても浄化されない限り復活しつづける不死系の魔物がいる、最奥部にボスが存在し、ボスを倒すと出口が開き、出口はギルドに繋がっている。特殊な封印でダンジョンから魔物は出れない安全仕様になっている。


ダンジョンの難易度は人数で変わる様になっており、3人編成の回復術持ちは高難易度となっている。


-ギルドダンジョン-


「魔物と戦うなんて、魔王城以来だな~」


「ミロクちゃん、危なくなったらすぐ私たちが助けるからね」


「うんー!ミロクがんばるー!」


3人はダンジョンに入っていった・・・


場所は戻りギルド内


「1時間を過ぎたか・・・受付のお嬢さん、そろそろ資格を用意しておいた方が良いと思いますよ」


「へ?いや、あの、低難度でも平均6時間くらいはかかるダンジョンですので、高難易度では半日くらいはかかるかと・・・」


「あの3人はちと、特殊でな」


「あれ?ここ出口かな?じゃあさっきのボスだったんだ?」


「おつかれさん、早かったな、どうだったダンジョンは?」


「どうもこうもないよ、一度も魔物に触れてないよ俺、全部ミロクが一撃で倒しちゃうんだもの。」


「ミロクいっぱいがんばったのー!」


「さすがは鬼族じゃな」


4人が談笑している中、ギルド内はざわついていた


「あいつらさっき出てったばっかじゃなかったか?」


「インチキしてんじゃねーの?」


「あんなガキがモンスターを一撃?」


王国に勇者の生存を知られるわけにはいかない中、目立ってしまう形となってしまった事にカイノスは焦る


「受付のお嬢さん、ちと急いでいてな、資格を受け取って良いかな?」


「あ、はい!今お持ちします・・・」


カイノスは冒険者証を受け取ると3人に配る。


「これ以上ここで注目されるわけにはいかん、すぐに出よう」


4人は足早にギルドを後にした


「さて、ネイサン指定の日まで時間はあるが、今できる事は終わったなぁ。」


「とりあえず宿に行きましょう、ダンジョンがジメジメしてて汗かいちゃったわ」


「おふろおふろー!」


「そうだな、戦力も整ったし、今後のプランも練ろう」



 カイノスがブライに声をかける


「ブライよ、酒は飲めるか?」


「ああ、まあ一応成人してるからね、強くはないけど」


「ちょっと飲みに出ようか」


「いいねぇ、500年ぶりのお酒だ」


ブライは笑って返す。


「セレスよ、ちょっとブライと出かけてくる、ミロクのこと頼んだぞ」


「はーい、いってらっしゃい」


酒場


「ふー、料理も酒も500年前とは大違いだな!」


「500年前の話をもっと聞かせてくれんか?」


ブライはカイノスに語る。転生前の事、冒険に出てからの事、マヤノやオグリ達仲間の事、魔王との闘いの事、500年前最後の日の事、楽しかった事や辛かったことを大いに語り、カイノスもセレスの母親の事、教団との軋轢、王国の黒い噂を話し、男同士の語り飲みとなった


「この前の勇者カイル、どう思う?」


ブライはカイノスに聞く


「礼儀正しく好青年というイメージの裏に不気味な気配が漂っていたな。本人は自分が真の勇者じゃないと自覚はあるんかのう」


「さあなー、聖剣が封印されてなきゃ、聖剣に触れない事で気づけると思うけど、どうだろうな」


「とにかく要注意人物ではあるな」


「娘さんも口説かれてたしな」


ブライはケラケラと笑いカイノスをからかう


「あんな嘘くさい笑顔の奴に娘は渡せん、ブライならええぞ?」


「ぶふーーー!えっ、おっ」


ブライは飲み物を吹き出し動揺する、


「冗談じゃ」


カイノスはニヤニヤとブライを見る


「からかいやがったなこのオッサン!」


男2人の宴は深夜まで続き、宿に戻ると、セレスとミロクは寝ていた。


2人はそぉーっと起こさないように自分のベッドに入る


寝ているセレスの顔を見てカイノスは思う


・・・まだ出会って間もないが誠実な男というのはわかった、セレスを任せるならブライが良いのう・・・


そうして朝を迎える


「頭いたい」


ブライとカイノスはしっかり二日酔いになっていた。


-ラムタ王宮都市-


「ドムスのギルドで高難易度ダンジョンを1時間くらいで突破した奴らがいるらしいぞ」


「へぇ、そりゃすごい。どんな奴らだよ」


「剣士と回復術師とガキだってよ」


「名前はなんだって?」


「ブライトとかいう男とセレスって女に、ミロクとかいう角の生えた人外のガキらしい」


ブライ達の試験の噂は朝1番で首都まで届いていた


「ブライト・・・ブライ・・・まさかな」


噂を耳にはさんだ竜人族のフェーブルは呟く

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