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第1話 決戦までの道のり



魔王の城-最深部


ふー、いよいよか・・・



5年前、16歳で何の変哲もない退屈な高校生活を送っていた成田なりた 無頼ぶらいは期待の中に寂しさを含んだため息まじりに昔を思い出す。


下校中に突然現れた光、いや、例えるなら白い闇の中に無頼は飲み込まれた。


足元には魔法陣のような物、周りには中世の騎士を彷彿とさせる幾人もの人、目の前には、いかにもな魔術師と王様のような人間。


ああ、夢かな。


もしくはモ〇タリングで~す。とカメラを持ったTVクルー達がその内現れるかなと、目の前の事象には意外にも冷静でいられた。否、驚きすぎて冷静を装い、そうであって欲しいという願望が出ただけであった



 「ラムタ王様!成功です!転生者から勇者の波動を感じ取れます!」


目の前の魔術師風の男は感嘆しているような、高揚した雰囲気で王様と呼ばれる男に報告する。


「おお、遂に、勇者をこの地に招くことができたのだな」


と、王様風の男も笑顔になっている。


これはどこかで見たことある、というか、流行っているやつだ。そんな予感がした。


喜んでいるところに水を差してしまうが、無頼は嫌な予感をしながら訪ねる。


「あの・・・これは一体・・・?」


王は真顔に戻り答える


「おお、突然すまなかったな。貴殿はこの世界とは別の世界からこの地に召喚された救世主なのじゃよ。ここはラムタ王国という地で、今世界は魔王ジェンティルに・・・」


「いやいや、自信満々に話し始めてますけど、呼び出された理由とか教えてくださいよ。」


不安がイラつきに変わり始め、王の言葉を遮るように、俺は畳みかけた。


「なんとなく想像付きますよ。世界が魔王のせいでピンチだから、転生してきたチート持ち勇者に倒してもらうって流れでしょ?でも俺も急に呼び出されてもパニックだし、元居た世界での生活だってあるし、初対面でいきなり『魔王やっつけちゃって☆てへぺろ』みたいなこと言われて快諾するとでも思ってるんすか?」


「おい!王に無礼だぞ!」


周りの騎士たちから怒号が飛ぶ


「よいよい。少年よ。貴殿の言う通りじゃ。そちらの都合も考えず、急に呼び出しすまなかった。じゃが、話を聞いてくれんかのう。この通りじゃ。」


王が頭を下げながら言う。


「まぁ、話くらいなら・・・」


怒っていても、急に大人の対応をされると、こちらも熱が下がってしまう。この王様クレーム対応が上手なんだな、と怒っていた自分が少し恥ずかしくなりながら話を聞いた。


 話を聞くとこんな感じだった。

この世界には色々な種族がいる。その中の魔族に魔王ジェンティルってのがいて、魔王は世界を支配しようとしている。魔王は勇者にしか倒せない。倒しても500年後に魔王は復活する。勇者は人間族に生まれる。勇者は魔王討伐後に子供が生まれると勇者の血を引き継ぐが、先代の勇者は魔王に敗れ死んでしまった。そうなった場合は異世界から新たな勇者を召喚しなくてはならない。そして召喚された俺には勇者の血が流れている。こっちの世界と元いた世界では時間軸が違うため、いつどの時代、どの場所から召喚されるかはランダムで、戻し方は今研究中である。



こんな漫画みたいな話があるのかと思った反面、モ〇タリングであって欲しいと思う自分もいた。


そして漫画みたいな話のくせに、よくある転生もののようにチート能力のようなずばぬけた力は特になく、勇者の恩恵でちょっと強いくらいで、今この時点の俺では強めの魔物にすら勝てない、スライムが精いっぱいらしい。


俺は彼女もできたことないのに、こっちの世界で死ぬのかな。。。


「唐突に呼び出し、無理な願いを押し付ける形になってしまうが、どうか引き受けてはくれぬか?」


と、王様は頼んできたがこのまま彼女いない歴を更新したまま死地にいくような真似はしたくない。世界はいつか支配されてしまうかもしれないが、それまでにこっちの世界で彼女を作り、世界の終焉まで幸せに暮らすほうを選んだほうが良いのではないか?


「申し訳ないんですが・・・」


と、断ろうとした時に王様の後ろから入って来た人物がいた。


「お父様?その方が勇者様でいらっしゃいますか?」


おそらく王の娘、お姫様なのであろう。息を飲むほどの美女だった。モテずに思春期を過ごしてきた俺には女神と見間違えるほどに。


「おおローレル、彼が勇者、勇者ブライ殿じゃ。そうじゃブライ殿、元の世界にもどる方法はもちろん研究するが、戻らずに魔王を倒した後、ローレルの婿として我が国の王子として生きてみないかね?」


「まぁ、お父様ったら///」


「わ、わかりました。頑張ってみます、ハイ。」


そう言って俺は話を引き受け、修行、仲間との出会い、冒険を進め、5年が立ち21歳の俺は魔王の目前までたどり着いた。


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