私の心を暴かないで
もっっっのすごくお待たせ致しましたー!!
むしろ、待ってる人いないかも…。
のんびりまた更新していければと思っております。
「……ディー」
どうして、こうもタイミングが悪いのだろう。
今、一番会いたくなかった人と出会ってしまった。
…それともこれも運命だとでも言うのだろうか。
私のお父さんとお母さんのように…。
「こんなところで、どうした?
…っまさか、何かトラブルでも…?」
どうやら、先程の一件はまだ知らされていないらしい。
私は内心ホッと安堵して気持ちを整えた。
…大丈夫。私は、まだ大丈夫。
心の中でぐるぐると不穏な気配を感じたけれど、努めて冷静に押し止める。こんな簡単には闇に染まらない。あんなにいっぱい訓練したもの。
「ううん、何でもないよ。
全く、ディーってば心配性なんだから…」
笑って誤魔化そうと思ったけれど、それは失敗に終わった。
何故ならディーに手首を掴まれ真っ直ぐに見つめられたから。
ーいつもの優しい甘い表情ではなく、厳しい咎めるような目線で。
「君はそうやっていつも自分の中で抱え込もうとするのか…?」
「な、何を…」
動揺していると、握られていない左手で頬に触れられた。
「今の君の瞳は、あの頃の俺と同じだ。
誰も味方がいないと、全て周りを敵だと思っていた当時の俺の瞳と。
…俺は、そんなにも頼りないだろうか。」
「そんなことない…っ!!」
ーただ、色々なものから目を逸らして認めたくないだけだ。
それに、こんなことでディーに迷惑をかけたくない。
そう思う心が否定の言葉を口に出させた。
「だったら…。
マリーは認めたくないのだろうが、少なくとも今の俺達は仮婚約者同士だ。
例え、それが一方的な約束だとしても…愛しいマリーの苦しみや悩みは共有したいし助けたい。
そして、出来ればマリーにはいつも、笑っていてほしい。
それを望むのは、高望みなことだろうか…。」
寂しげな微笑みを浮かべ、私を見下ろすディー。
ずるい…そんなことをそんな表情で言われて私が否定できるはずないのに…。
「………っ。」
何かを言わなければと思うのに、上手く言葉にならない。
口をパクパクとさせるけど、喉が張り付いたかのように音にならずに消えていく。
何を、言えばいいのだろう。
今の私には、ディーの真っ直ぐな想いは眩しすぎて、目を逸らしたくなる。
…そのまま私の心の奥深くに眠る想いに気付かないで…。
ー私は、貴方に相応しくないー
渦巻く感情に翻弄され、目の前が真っ暗になりそうになっていたら、包み込む温もりにハッと意識が呼び戻された。
「…言いたくなければ言わなくても良い。
でも、今のマリーを1人には出来ない。
せめて、隣にいさせて欲しい…。」
気付けば私を抱え込むようにディーに抱き締められていた。
ここが何処だとか、早く魔研に戻らなきゃとか浮かんでは消えていく思考の中で、ただただこの温もりに安堵する自分がいて、私は腕の中でこくりと頷いてしまった。
抱き締める腕にさっきより力が入ったのがわかった。
私はおずおずとディーの背中に腕を回しきゅっと握りしめた。
ーごめんなさい。
気持ちに応えられないのに、甘えてしまう私を、どうか許してー
精神的に疲れていたのかもしれない。
私は抱き付いたまま眠ってしまったらしく、目が覚めたら、魔研の自室のベッドの中だった。
**************************
ーその夜、私はディーのことを好きになってしまったのだと自覚したー
やっと、やっと!!
マリーが、恋に目覚めました。
でも、決して許されない恋。
さて、これからマリーはどうなっていくのか、ゆっくり気長~にお待ち頂ければと思います。




