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ルルージェさんの部屋

主人公は私の代弁者。

…第一声はまさしく私の代弁者心の声です…。

「お待たせしてごめんなさい。」


「いいえ、私のことはお気になさらず。

どうぞ、こちらへ。マリエリア様。」


お母さん…もとい、レイニー様への説明とプチ説教に時間を取られ、到着が遅れてしまった。


そのことを話すと、クスクスとルルージェさんは笑いながら私に対し紅茶を差し出した。


「レイニーは、良い人なんだけれど、少しお節介

なのよね。

それで、自分ばかり損な役回りを被るのだから困ったものだわ。」


激しく同感だけど、とても実感のある言葉に、過去に二人には何かあったのだろうなと察した。

でも、それを聞くのは今じゃないと思い、とりあえず、その件は置いとくことにした。


「あ…、あの…っ。

ルルージェ…さんは、どうしてここに…?」


「あら、ごめんなさい。話が逸れてしまったわね。…色々と気になることがありますわよね。


まずは、改めて自己紹介させて頂きますわ。

私は、ルルージェ・ヴァレンティノ。

公爵家の長女として産まれたの。

このサンルートには15歳まで住んでいたのだけれど、今はご存じの通り、辺境の街サッシュに住んで加工品店をやっているわ。」


サラッと生まれの話をするけれど、謎ばかりが残る。その公爵家の令嬢が、どうしてあんな辺鄙な街で加工品店を商うことになるのか。

わからないことばかりだ。


「あの…先程のご令嬢が言ってたことって…。」


どう聞いて良いものか考えあぐねて、なんだかしどろもどろになる。


「あぁ、婚約者候補の話かしら…?

あれは、幼い頃の話よ。」


「でも、最有力候補だったんです、よね…?」


直接的なことなど言われずとも、家柄、人柄を見ても、ルルージェさんがディーの婚約者の最有力候補であったことは、私でも想像できる。


それがどうして、サッシュで庶民紛いのことをしているのかがわからない。

こうして、王都に来ているということは、別に縁を切ったというわけでもなさそうだし。


「…そうね。確かに私が最有力候補であったことは間違いないわ。」


ずきりと胸が傷んだ気がした。

自分から聞いておいて、この先を聞きたくない衝動に駆られたのは一体何故なのだろうか。


「…あ、の」


「あくまで、建て前上の、だけれどね。」


話を中断させようとした私の言葉に被せるように、ルルージェさんはにっこりと笑顔で続けた。


「周囲の口煩い頭の固い貴族のおじさま達を黙らせるための建て前だけの、候補だったのよ。」


「それって…」


どういうこと、と続けようとした私をじっと見つめ、ルルージェさんは優しい眼差しで私に微笑んだ。


「ディースレイド殿下が、貴女と出会ったから。


私は、その隠れ蓑として、婚約者候補に名乗りをあげていたの。」



少し、昔語りをしましょうか、とルルージェさんは過去を語った。

今回は短いですが、この辺で。

次回ルルージェ視点の回想に、なる予定。


なるべく間隔あけないように頑張ります…っ!!

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