仮婚約期間
「ちょっと!!約束と違うじゃない!!
王都に来たら外してくれるって書いてあったわよ!」
「あ、あれは…その、マリーの気を引きたくて…その為にはなんとしても俺に会いに来ざるを得ない状況にする他なかった…」
「…~っだからって、やっていいことと悪いことがあるでしょ!?
本人に許可なく婚約させといて、そのあげく取れないとかどーいう了見っ!!!?」
そうよ、確かにこんなことでもなければここには来なかっただろうけど!だからって、これはあんまりじゃない!???
怒りまくった私の剣幕にたじろいで次の言葉を探そうとしたディーだったけれど、その最悪な空気をまたも壊したのはレイニー様だった。
「ちょいちょい、早とちりのマリエちゃん?
少しは殿下の話を聞いてあげなさいな。
何も殿下は絶対取らないとは言ってないでしょ?
『今は』取れないって話、ちゃんと聴こえてた?」
私はその言葉にハッとした。
言われてみれば、確かに…。
でも、それってどういうこと??
「はぁ、あんたって本当にこういうことは全く知識がないのねぇ。
仕方がないから、教えてあげる。王族の婚約は、王家に伝わる指輪を送られて初めて成立するの。
とはいえ、あくまでも婚約。正式に結婚するにはいくつかの段階があるわけ。
その1つ目が、指輪が定めたお試し期間なわけ。」
「お、お試し期間…??」
なにその、かっるいノリは!!
「…っおい。その言い方はかなり語弊があるぞ、レイニー。
仮婚約期間だと言え。」
つまり、その仮婚約期間は3ヶ月と決められ、その期間中はどんなことをしても指輪が取れないのだと言う。
その期間中に王城に滞在し、婚約者として相応しいか見極める。正式に婚約すれば、指輪はそのまま取れなくなる。別れるならば、3ヶ月以内に王家に伝わる秘術をもって外すのだそうだ。
とはいえ、恋愛結婚の家計であるらしい王家では、今まで指輪を与えるほどに愛した女性がこれまで仮婚約期間中、外すような事態にはなったかとがないのだとか。
…そんなこと、知ったことか!、
…………つまり、ディーは私を3ヶ月はここに拘束するつもりでこんなことをしたわけだわっっ!!
「…っひどい!!
こんなのってないわ…っ。ねぇ、ディー。
今すぐこれを外してよ。」
私はイライラしながらディーに指輪のはまった手を差し出した。
そしたら、何故かディーは私の前に跪き、私の手を握り指輪に口付けながら懇願してきた。
「マリー。
どうか、聞いてほしい。
この仮婚約期間の3ヶ月。
どうか俺にチャンスをくれないだろうか。」
うぅ、そんな真剣な目で見上げてこないで欲しい!!
い、居たたまれないー!!!
誰か助けてっ!!!




