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契約の意味

魔法のランクは、概ね、3つに分類される。


下級、中級、上級、この3つ。

下級魔法は家庭で使う程度の軽い魔法が中心。

基本的に、この程度は当たり前のように皆が持っているレベルということらしい。


中級魔法は、主に戦闘向けの魔法。攻撃魔法や回復魔法等多岐に渡るけれど、殆どの高位と言われる魔力持ちはこの中に分類されるらしい。


そして、上級魔法が【異端者】レベル。

他の人と比べて明らかに魔力量や質が違うのがこの上級魔法。


禁忌の魔法と呼ばれるような類いのまほうは全てここに含まれる。


よくある異世界転生のように、ステータスが見られれば、具体的な数値もわかるのだろうけれど、この国では、いえ、この世界にはそういったものはないらしい。


ちょっと憧れだったんだけどなぁ~、


『ステータス』


とか言いながら、空中にステータス表示してチートを発見するみたいな光景。


とは言え、確実に私の魔力量はこの上級魔法に分類されることだろう。

なんと言っても、無詠唱でなんでもかんでも魔法使えるのは、規格外らしいので…。


……っだって!!

ルイ達誰も教えてくれなかったんだもん!!

人は詠唱の言葉を用いて魔法を使うのが当たり前なんだって。


それに、唯一子供の頃に見た人が、ディーだったせいで、魔法は無詠唱が当たり前だと思い込んでいたのだから。


これは、ディーにも責任あると思う…。

八つ当たりだろうがなんだろうが、絶対に後でディーには一発蹴りをお見舞いしてやるんだから!!


ステータス機能がないなら、どうやって見極めるか。

それはとっても簡単。

専門の施設で、魔法の実践をしてもらい、それが成功すれば魔法使いとして認定される。


その認定システムは、世界共通らしい。

この国では1度魔力が忌み嫌われ、廃れていたけれど、【異端者】の受け入れを国民に知らしめる為に、こういった機関はディーが王太子になった時点で、各所に配置するようすぐに対処したのだとか。


そのお陰で、魔力持ち達は疎外されていた立場から、花形の職種を得ることが可能になったのだ。


その筆頭が、私の住んでいた街にもあった、【加工屋さん】。

勿論完全な手作業のみの所もあるけれど、その殆どは魔力持ちの支えで運営していると言っても過言ではない。


魔石を作る人、魔石を取ってくる人、魔石を加工する人。

内容は様々だけれど、そこには必ず魔力持ちの力が必要になる。最先端のお洒落をしたい貴族の令嬢達が、より細工の細かい繊細なアクセサリーを身につける為には、魔力持ちの存在は欠かせない。


最近では、専属契約をしている人もいるらしいとレイニー様は苦虫を潰したような顔で教えてくれた。


「あのぅ、なんでそんなに嫌そうな顔なんですか…?魔力持ちが認められた成果なんだから、良いような気がするんだけど…」


「なんでって…、あんた本気で聞いてる…?」


怪訝な顔でこちらを見てくるけれど、本当にそう思ったんだから仕方ないでしょ?

私はこくりと首を縦に振った。


レイニーは1つ大きな溜め息をつくと、前髪をぐしゃぐしゃと掻き上げ、どっさりと目の前の椅子に背を預けると、こちらを横目で見据えた。


ドキッ。

綺麗な人は何をやっても様になるんだなぁなんて、私は不謹慎にもドキドキしながらレイニー様を見返した。

ちなみに、今は午後のティータイムという名の休憩時間だ。



「そうだったわね…。

あなたは"シュヴァルトの魔女"だものね。

王都の貴族事情なんて知るはずないか…。


あのね、専属で契約するっていうのは何も良いことばかりじゃないのよ。まだまだ貴族の中には、魔力持ちに対する悪感情が消えたわけじゃないの。畏怖を抱きながら、貴族としての栄華を極めようと専属で【契約】するの。」


【契約】


なんだかこの言い方に物凄く違和感を覚えた。

なんだろう、やな感じがする。


「貴族のいう【契約】っていうのはね、書類上の取り決めではないの。【契約】の名の元に魔力持ちを縛るのよ。

反抗できないように、逃げ出さないように。

契約の鎖で捕らえて飼うの。」


「捕らえて…飼う……っ?」


なによ、それ………っ!!

信じられないっ、同じ人なのにどうしてそんなことが出来るの!?あり得ない…っ!

私は沸々と怒りが魔力を帯びて立ち上がりそうになるのを必死に抑えた。

落ち着け、落ち着け…っ。こんなところで暴走したら洒落にならないわっ。


呼吸を整えていくうちに魔力の渦が沈静化すると、気持ちもスッと落ち着いてきた。

あぁ……。だから、あの子達があんなにも傷付いて私の元に来たのね…。


なんだか全てに納得した気がした。


「…っ。

…あんたって、やっぱり規格外ね。

私、魔力と対峙して初めて死の恐怖を味わったわよ…。」


ふと隣を見ると、レイニー様がビクビクとしているのが目に入った。


「あ、あれ?すみません、もしかして私無意識に魔力とばしてましたか?」


おかしいな、人を攻撃する前に制御できたと思ったんだけど、まだ甘かったのかな?


「魔力とばしてましたか?じゃ、ないわよ!!!

本気で死ぬかと思ったんだから!!

お茶の時間はお茶を楽しむ。これ、常識!!!」


「ふぁっ、は、はいぃぃ!!!!」



涙目になりながら私を怒鳴るレイニー様のその顔の方が私には怖いわよー!!!!

綺麗な人が鬼のような形相になるなんて、もう2度と見たくないわ…っ。


今度は私が涙目になりながら、必死にお茶を飲み干したのだった。


ギリギリ駆け込みセーフ!!

なーんて、言ってる場合ではないですね(;´∀`)

申し訳ありません!!

長らくお待たせしました。

約2ヶ月ぶりの更新です…。

もう読むのを諦めている人もいたのではないかと疑いたくなる日数ですね(;´д`)

そんななか、ここまで読んで下さった貴方!!

本当にありがとうございます!


地道に完結出来るように頑張りますので、どうか気長~にお待ち頂ければと思います。

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