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衝撃の出会い

ー時は遡り、3日前ー



ライアン様に連れられて王城にやって来た私は、ライアン様の侍女のふりをして入城した。


プラチナの髪はかなり目立つので、魔法で色を変えて落ち着いたブラウンにした。

そこからどこに連れていかれるかと戦々恐々としていたけれど、北に面する庭園に出たかと思えば、みるみるお城から遠ざかり、気付けば周りは鬱蒼と茂る森の中へと入っていった。



……え。

なんで、王城の周囲にこんな森が出現するの!?

ていうか、私は一体何処に連れていかれるんでしょうか…?


確かに、あまり目立ちたくないとは言ったものの、これではディーと会うことすら出来ないんじゃないの??


ライアン様に騙されたのかとちょっとだけ疑ってしまったけれど、15分程歩いたら突如森の中に大きな建物を発見した。



ここが、目的の場所、なの?

…でも、なんだかここって………。



「…懐かしい感じが致しますか?マリエリア様。」


「…え、えぇ。ちょっと驚きました…。

まさか、王城の一画にこのような魔力に溢れた場所が存在するなんて……。」


私の思ったことを先読みしてくるライアン様は流石としか言いようがないけれど。

ほんとにびっくりして言葉が出なかったのよね…。



この建物には魔法で結界が施されている。

それ以外にも沢山の精霊の気配を感じる。

それはまるで、シュヴァルトの森にある我が家を彷彿とさせた。


まさか、こんな場所があったなんて……っ!!


「ここは、王国魔術研究院なのです。

ディースレイド殿下が王太子になられる前は、あまり日の目を見なかった施設なのですが、王妃様のご尽力もあり、魔法が国中に認められるようになり、この機関は今や常に人手不足な状態なのですよ。」



そこで、貴女の出番なのです、とライアン様は言葉を続けた。


つまり、こういうことみたい。

昔は【異端者】と言われるほど、強い魔力を持った者が迫害されてきたけれど、それがディーが王太子になったことで段々と緩和され、それに伴い、研究院でも国を上げて、魔力の研究に勤しむようになったのだとか。


こんな森の外れに建物があるのはその頃の名残なのと、研究院長が、王城の中央塔近辺の土地への移設を拒んだ為、今もこの場所にあるんだって。



何て言うか、その…変わり者の研究院長に会うのがちょっと怖いんですけど……っ!!



そう思ってる私の心とは裏腹に、ライアン様はさっさと屋敷のドアをノックして開けてしまったわ!


「さ、どうぞ、マリエリア様。」


「あ、ありがとう…ございます、ライアン様。」


私は裏返りそうになる声を必死に抑え、エスコートされて中に入った。

…というか、今、ノックだけして何も声も掛けずに開けたわよね?え、そういう間柄の人なの?


何にも説明されずに優雅にエスコートされ、どんどんと奥へ奥へと連れていかれる。

ちょちょちょちょーっと待ってーーー!!

まだ、心の準備が!!…って、何の準備よ、私!!



脳内で目まぐるしい勢いで色々な感情が入り交じる。その様を見て、精霊姿で付いてきたルイがいつもの呆れ顔で溜め息をついていた。


あぅ!!

なによぅ、私は悪くないもんー!!!


心の中で悪態をつきながら、ライアン様に連れられて1番奥の部屋の前に辿り着いた。


「レイニー、入りますよ。」


そう言うとやはり相手の反応を確認せず扉を開く。


そこにいたのは、腰辺りまで伸びた緑色の長髪をさらりと靡かせた20代後半くらいの麗しい青年だった。


だが……。


「…全くなんでここに来る人、みーんな勝手に入ってくるのかしらね。

…っあらやだ、ライアンじゃない。久しぶりねぇ!相変わらず色男ねっ。」


「止めてください、そんな風に迫られたら私まで誤解されます。彼女の前でそんな姿は見せたくありません。」


そう言ってライアン様に抱きつこうとしていた青年は、ひらりと華麗に避けられて、むぅと拗ねたと思えば、こちらに視線を向けてきた。


「あら、可愛い子ね。

誰よ、ライアン。もしかして、あんたの恋人?」


「…っこ!?

い、いえ…ライアン様には色々とありましてこの王都でお世話になっておりました。

マリエリアと申します。

どうぞ、宜しくお願い致します。」


ビックリ発言に思わず声が裏返ったけれど、なんとか持ち直して挨拶をした。

うん、挨拶大事!!例え、相手がどんな人だとしても……っ!!



そう。どんな、相手でも。

その言葉遣い、仕草、この人ってもしかして…


オネェ!?



こんなにイケメンなのに、なんて残念な…っ。

いえ…別に好みではないけれど、絶対モテるはずなのに、恋愛対象男だなんて世の女性は泣いちゃうわよね…。


「言っておくけど、私別に男が好きな訳じゃないわよ…?」

「ひゃうっ!!!」


へ、変な声出しちゃったわ!!

だ、だって1人思考に耽っていたら、突然耳許で囁かれてビックリしたんだもの!!

さっきまで目の前でライアン様と話していたと思っていたのにいつの間に…。


…っていうか、え。

この態度で、ゲイじゃない!?


「え、じゃあ両刀…」

「恋愛対象は女性だってことよ!!

貴女、見た目に反して意外と失礼ね!!」


頭をぺちんと叩かれてしまったわ…。

す、すみません。

私はすぐに謝罪した。


「別にいいわよ。

…わざとそうしてるってのもあるしね。


それにしても、貴女凄い魔力持ちなのね。

その髪も、本来の物ではないのでしょ?」


その言葉にハッとしてオネェの方を振り向くと、ふふっと不敵な笑みを浮かべていた。


…そうだった。

ここは魔術研究院。当然この人も、魔力持ちよね。話の流れ的にもこの人が院長のはず…。

だから、別に隠す必要もないかと思って私はこの場で髪を元の色に戻してみせた。


目の前の2人が、くっと目を見開いて驚いていた。

あれ?どうしたんだろう。


「…ほんとに凄いわね。

無詠唱で上級魔法を使うのね。流石に驚いたわ。」


え。これって上級魔法なの!?

いつも普通にやってたから気付かなかったわ!


…というか、もしや、今までやってきた様々な魔法も、そう…なの?比較したことがなかったから、常識がわからないわ!


溜め息をついて、オネェが私の肩に手を置いた。


「貴女ね、何でもかんでも顔に出すぎよ。

あまりにも無防備で、こっちが心配になっちゃうわ。


…魔法のランク、知らないのでしょ?

私が教えてあげるから、安心なさい。」


うぅ。バレバレじゃない、私ってば。

…そんなに顔に出やすいのかなぁ?

あ、でもよくルイには指摘されるから、そういうことなのかも。



そんなわけで、私は魔法に関する一般常識を教わりながら、オネェ…とと、レイニー様のお手伝いをすることになったのでした。


レイニー、書くの楽しいです(笑)


いやぁ、ディーくん、早く帰ってこないとどんどん皆にヒーローポジション取られちゃいそうですwww

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