未知とのご対面
まだまだ最初の説明ですみません!
王子が出てくるのはもう少し先になりそうです。
そう、『幼女』なのだ。
先程は思わず取り乱してナル発言をしてしまったが、私は幼女になってしまった。
現代での常識的な思考が少しずつ戻ってきた私は、今のこの状況を冷静に考え始めた。
これは、『天国』ではない。
石井真理恵として生きてきた28年の経験上わかる。
そして、恐らくだが、ここは所謂『異世界』なのだということが、わかった。
何故なら…
『大丈夫ー?』
『あ、こっち気付いた!』
『初めまして♪ 仲良くしよー!!』
そこにいたのは、日本では決してありえない宙に浮かぶ小さな妖精の姿だった。
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彼女たちの話を要約すると、こうだ。
私はあちらの世界、『日本』で本来あるはずだった幸せな生活を不慮の事故で失ってしまったのだという。
それを悲しんだ神様が、こちらの世界に転生をさせたそうだ。
ここにいる妖精達は、私のお世話係として、呼び寄せた…ということらしい。
話の流れはなんとなくわかった。
わかったけれど、気になる点がありすぎて、何から突っ込めば良いのかわからない。
ひとまず、これだけは聞いておこう。
「わ、わたち、まほーつかえるのでしゅか!?」
わぉ、想像以上に言葉が酷い。
でも、これが今の私の精一杯だ!
『勿論だよー!』
『だからこそ、僕達がここにいるんだから』
『いっぱい色々なこと教えてあげるね』
『楽しみね~』
それぞれが一斉に喋りだす。
それもとっても楽しそうに。
でもそれは私も同じだった。
(魔法が使える!!
小説の中でしか体験できなかったあの感動を私も出来るのね!!)
そう、私は何を隠そう、異世界ファンタジーオタク、だったのだ。