間話~サンフェリオ国が出来るまで~
今回は説明のみで人物が出てきません。
こういうところに文才のなさが露見する気が致します…
変な文章があるかもしれませんが、お読み頂ければ幸いです。
サンフェリオ国。
ここは西のリース海と東のシュヴァルトの森に囲まれた大国で、とても豊かな国だ。
ムーンサルト国とその力を二分すると言われているこの世界屈指の勢力を誇る大国である。
特に産業の発展が他国より勝っており、海域での水産から織物などの手芸品に至るまで、あらゆるものに秀でている国だ。
また武力にも優れ、その武勲から、近隣諸国からの侵略を許さない鉄壁の壁などと称されている騎士団が常に国の各所に配置され、国の安全を守っていた。
こんな非の打ち所がないように聞こえるサンフェリオ国の、唯一にして最低最悪の汚点がある。
それは、
【光の巫女の喪失】
である。
今から150程年前まで、この世界には光と闇の魔法を持つ者たちがいた。
神の化身とも言われる巫女の存在は、人々の間で常に崇められ、安寧の象徴とされていた。
巫女がいた頃は、魔法も日常的に使われる当たり前の存在だった。魔法の力を宿した水晶は、産業としても大きな需要があり、それが国を繁栄させたと言っても過言ではなかった。
しかし、【ある事件】が起き、巫女は生まれなくなってしまった。
それに呼応するかのように、魔力を持って生まれる子供が年々減っていった。
【神に見捨てられた国】
当時そんな汚名をつけられていたものだ。
それを撤回すべく、当時の王家は、それはもう努力した。
水晶の代わりになる産業に力を入れ、他国と交易し、同盟国を増やした。
また敵対国に侵略されないよう、武芸に力を入れ、騎士団を各領地に配置するなど強固な防衛を築いた。
そうして、ようやく今の形の大国となったのだ。
【光の巫女】の存在は今では禁忌とされ、時代と共に忘れられ、伝承として伝えられるだけの存在となった。
そんな矢先だった。
この国に、王子が生まれたのは。
その赤子の首もとには、光の巫女の象徴である水晶のペンダントがあったのである。