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二話

僕がドアを開けると

「よーっす。遅かったな。青火。」

「どうも、途中ちょっとありましてね。」

「ほうか。相変わらずお人好しだねぇ。」

翠華(すいか)さんにいわれたくはないですよ。あんたも結構なもんでしょうよ。」

「それはあんたがうちのそういうところしか見てないからさ」

「裏でとんでもないことをやっているかのようなことをいうんですね」

「はは、青火よ、人間というのはほぼ例外なく二面性というものを持ち合わせているものだよ。それを隠すのが上手いやつはごまんといるがね。」

「はいはい、そうですか」

「あ、流したな」

「真面目に聞いてると長くなるんでね」

「人がせっかく人間というものについて教授してやろうとしているのに、いやな野郎だ」

「あいにく、長々と頭の痛くなる哲学じみた話を聞きたくはないんですよ」

「そうかいな。で、今回はどんなのにあったんだね?」

「別に。ただのはぐれですよ」

「お人よしだねぇ...。あ、紅茶入れとくれ」

「たまには自分でしたらどうなんですか」

そう言つつ結局二人分の紅茶を入れる


この人は翠華さん。ばっちり漢字まで指定されてこう呼べと言われたのでそう呼んでいる。本人曰く

「字面もよければ意味もよい。皇帝を示す旗だぞ。皇帝という響きがもういいじゃないか。」

だそうだ。話し方については

「最初は何となく雰囲気ええかなぁ、ってやってたけどやめるにやめられんくてな。それ以来そのままや」

とのこと。

本名は知らない。本名以外にも知らないことだらけの人だ。見た目も雰囲気も何か独特のものを持っていて着物を着てバックに障子で花吹雪なんか散らせば漫画なんかに出てくる妖しいお姉さんそのものになりそうだ。

この人が僕の上司というか仕事仲間というか、そんな感じの人だ。


僕の話を少ししておく。名前は月影青火(つきかげあおひ)。19歳。高校時代から翠華さんにお世話になっている。まぁ後のことはまたおいおい


「で、珍しくスーツなんか着てどうしたんですか?」

「あん?うちがまじめな恰好をする理由なんざそう多くないだろう。あててみぃ」

「さぁ?なんでしょうね。」

「ちったぁまじめにかんがえろよー...。よく聞き。依頼や」

「依頼ですか?珍しいですね。僕今日傘持ってきてませんよ。」

「いくら珍しくても雨は降らんから安心しぃ。今日依頼主の家で午後3時から待ち合わせや」

「どんな依頼でしょうね。こんな小さいところに頼むなんて。大体どこで存在を知ったんだか」

「そんなことはどうでもいいだろうさ。とにかく3時。用意しときぃ」

「僕も行くんですか...」


かくして今日僕は珍しい依頼主の存在を知らされ、それについていくこととなった。

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